顔面骨折って男女でどっちが多いの?

ふと気になった。顔面を骨折するというような、いわば大惨事ながら、なにか別の原因があるのではないかというような負傷というのは、(顔面防御ができないような特殊な状況があったことが想像されるので)案外男性より女性のほうが多かったりすることもあるのではないかというような。
さっくり調べてみたら、ちょうどドンピシャのいい論文があった。

これによると、調査症例(歯科関連以外の口腔まわり骨折) 162例の内訳は[男性 121 : 41 女性]とのことで、男性のほうが圧倒的に多いようだ。トリプルスコアか。統計母体が偏っている可能性も若干考慮すべきとはいえ(女性が「顔怪我しましたー!」と大病院に大手を振って駆け込むだろうか、というようなことね)、この数字の説得力から目を背けることはできない。ふーん、そうだったか。
そのほかも軽くあたってみると、鼻骨骨折のデータはさくっと拾うことができなかったが、眼窩骨折についても眼科関連外傷の男女比(男性が 2倍以上らしい)から推測するにおいて、男性のほうが多そうだ。 ふーん。 要するに男性のほうが顔面を危険に曝すようなハードなシチュエーションの「場合の数」が圧倒的に多い、だから受傷率が高い、というような理解でよいのだろうか。
ただし上掲論文には以下のような記述も。

受傷原因としては交通事故,殴打,転倒・転落,スポーツ,労災の順で多く,ほとんどの原因で男性の方が多かった.しかし,自転車乗車中の事故は女性に多く認められた.

そうそう、こういうような話が知りたかった。 この論文をとりまとめた人も、ひょっとしたらこういうようなことが調べたかったのでないかという気が少しした。
自転車の運転には気を付けましょう。

*1:大阪労災病院歯科口腔外科