けんさくさんおげんきですか。

めのう乳鉢の洗浄法ですか。
粉砕したものの用途、というか、その乳鉢で次に粉砕するものの用途によるとは思うのだけど、次に混ざっちゃ困る物質を除去できればいいわけだから、場合によりけり。やっぱりアセトンか、アセトンが嫌ならエタノールで拭き取りかなぁ。必要に応じて超音波をかける。(ただし「めのう乳鉢に超音波なんかかけちゃ駄目だよ!非常識な!*1」という人もいるので、超音波かけていいかどうかは念の為、実験室の管理者に訊いてみよう。)
あとは、コンタミを起こさない物質をダミーで粉砕するのが確実かもしれない。私(おうる)の場合は炭酸塩(つか、泥?)の分析だけだったのでシリカの影響を無視できる*2。そんなわけで、石英ガラスの破片*3を粉砕してアセトンで拭き取り。超音波洗浄はその日ぜんぶ終わって片付けるとき(しかも次の人がすぐ使わないとき)だけ、何故ならオーブンで乾燥させなくちゃいけないから。(勿論ここでも「めのう乳鉢をオーブンになんか入れちゃ駄目だよ!非常識な!*4」という人もいるので、設定温度を50℃くらいの低温にすればいいのか、一切禁止なのか、実験室の管理者に訊いてみよう。)
そもそも、濡れていいんだったら水洗いで万全、ということになるだろう。漂白剤を使用したりするところもあるようだ。
分析試料の調製でなく、毎回同じものを粉砕するだけだったら、気にならない程度に除去できていればいいわけで、正味な話、毎回洗浄の必要はない。ただし、放っておくと吸湿してこびりついたり、変質したり(勿論、腐敗したり)するものの場合はそうも言っていられない。共同で使用している道具ならば、尚のこと、「使用前よりキレイにするつもりで掃除してから片付ける」。これ基本。

■ というか…。ま、いいんんだけども!

実験室には大抵小うるさい「主」のような人がいて、場合によってはそれは技官さんだったり助手だったりドクターだったりするわけだけど、そういうひとが用具器具に関してはその実験室に最適な処置を研究し尽くしていたりして、…要するにつまりあれだ、乳鉢の洗浄なんてのはぶっちゃけそういう人(「主」)に訊けばいいし、むしろ(ローカルルールであれグローバルルールであれ、ともかくその室内における経験上の最適解を持つ)そういう人に訊くべきだ。研究そっちのけで、どっちかっていうと「あの人自分の実験いつやってんの?」というような人が実験室に居着いていないと、その実験室は荒廃するんだよね。だから、「そういうことならとにかくこの人に訊いとけ」というような人がいない(→ だからネット検索なんかかける)というのは、実はあんまり喜ばしいこととは言えないような気がするのだ。
最近、はてなの片隅、「ネット場末」のこんな研究所(跡)に、名だたる大学やら独立行政法人やらの研究室からの御訪問があるということがちょっとだけ嬉しい反面、別の意味ではとても心配になってしまうのだ。

*1:理由:割れるから。クラックが拡大するから。

*2:大抵の岩石・土壌試料の場合無視できる。というか、めのう乳鉢を使用している時点でシリカコンタミを無視できる試料でなきゃ駄目だという大前提。

*3:でも石英ガラスなんてそんなそこらへんに転がってるものでもないので、普通には割れた試験管とか。このとき、クリスタルガラスなど適当なガラスを使うと鉛など重金属が添加されている危険があるので(私(おうる)の分析にはどっちにしろ影響しなかったのだけどね、まぁ他の人のことを考えると NG 。)破損した実験器具の汚染されていない部分がよい。…と書いてはみたものの、こちらのページによるとパイレックスにはかなり大量の硼素と少量のナトリウムやアルミニウムが含まれているそうなので、このへんが気になる向きは御注意。

*4:理由:割れるから。クラックが拡大するから。