風に乗り

朝、お寺の石段に座り、朝食がわりの肉まんを食べつつまったりしていると、日差しの中をごく小さな、赤っぽいものがゆっくりと通り過ぎてゆくのが見えた。
ハエか、アブかと思ったが、よく見てみると細い細い、長い糸が。
クモの子だった。
好天に誘われ、飛びだしたのだろう。いささかフライング気味のようにも感じられて、彼(彼女)の将来をふと案じてみたりするわけだが、そんな杞憂はあまり似つかわしくない、うららかな、寒の狭間の 1日であった。
新天地へ。