地震と 10年と

兵庫県南部地震」から 10年。その当時、私(おうる)はまだ(地震大国「千葉国」において)地球科学を学ぶ学生であった。例によって例の如く大学の研究室で夜を明かし、いつもと変わらぬ朝、物置部屋に設置してある TV*1をふとつけたところ、関西地方がとんでもないことになっている気配をニュースが報じていた。しかし、朝の時点で報道が告げるその被害状況、「けが人 3名」。…何を馬鹿な。
実際に被災した方々は知らないだろう、朝の報道はこんなものだった。「震度6強」「数ヶ所で火災が発生しているもよう」「建物の倒壊」云々、頼りない情報の断片がずるずると報じられる。地震直後は要するに、それほどにまで情報が出なかった、そこまで壊滅していた、ということである。
大震災から 10年、という数字を耳にして、私(おうる)はなんとなく落ち着かない。特に根拠があるわけでもないし、実際に当てはまるケースをそう多く知っているわけでもないのだが、例えば、秋田県を中心に顕著な津波被害をもたらした「日本海中部地震」が 1983年、その 10年後の 1993年、奥尻島地震津波が襲った。*2なんとなく「10年」というと、場所は違えど、次の大地震を明確に予期させられるのである。
正確に 10年は経過していないが、さきの「新潟中越地震」は大まかに見れば「兵庫県南部地震」からおおよそで 10年。
勿論この 10年のあいだに、強い地震などいくらでもあった。だから、こういう物言いは(理系として、いや、少なくとも一時期は真剣に地球科学を修めようと取り組んでいた者として)あまりに非科学的である。そう、それはわかっているのだが、それにつけてもなおのこと 10年というのは、「直観的に」、なにかとても恐ろしい。

*1:勿論私(おうる)が設置したのだが

*2:私(おうる)は秋田にはゆかりがないが、奥尻島にはたまたま仕事で訪れ、島中を巡り、統計データを調べたりもしたことがあるので思いが深い。