意外に不得手分野

owl2003-09-28

名刺を作ったりして過ごす。(自分のの作り直しは未了。やらなくては。)
昔から、自分で名刺を作るという「課題」には幾度となく挑戦してきた。ところが名刺というのは、自分で作ろうとすると結構「限界」を思い知らされるものであった。
まず、厚紙印刷。業務用も含めて、コピー機やプリンタはこの厚紙印刷が往々にして得意ではない。勿論不可能ではないのだが、プリンタの寿命を大幅に縮めたりしかねない。印字品質も落ちることが多い。そして、印刷位置/サイズ合わせ。名刺の場合、デザインによっては 0.5mm ずれただけでかなり見苦しくなる。さらに、印字品質の問題。名刺に使用される厚紙として通常入手可能なのはケント紙だが、インクジェットプリンタの場合、ケント紙への高品質印字は不可能。レーザープリンタでならそこそこの印字は可能だが、印字のずれや紙詰まり、汚れの付着などが結構な頻度で起こる。そしておまけに、両面印刷…。
というわけで、いろいろと試行錯誤を繰り返した。結局、普通のプリンタで普通に売っているプリンタ用紙へと印字し、両面印刷の名刺をもっとも安定して作れる方法を開発。A4 の紙の右におもて面、左に裏面をそれぞれ縦並びにレイアウト、中心には「折り線」を引いておく。印字ののち、紙の裏側にスプレーのりを、できるだけ均一に吹き、折り線で折って貼りあわせる。最近は薄手の名刺が多いので上質紙 2枚貼りあわせくらいの厚みがあれば名刺として違和感はほとんど無い。もし、もっと厚みが欲しい場合には、普通の上質紙でよいので、縦半分に切って挟みのり付けすればよい。その後、切り分ける。
でも結局、切り分けるというこの作業の、手間とクオリティ維持の困難さが最終的にはネックになるのであった。ハサミで厚紙をまっすぐに切る難しさは言うに及ばず。カッターナイフを使ったところで、ミスせずに何10枚まで切れるか。

…というのは、もはや昔話。いまや、各メーカーから出ている「名刺専用紙」を用いれば、大した苦もなく、目的に応じた印字品質で名刺が作成可能。ものによっては、みためプロの仕事と遜色ない仕上がりが期待できる。手順も、拍子抜けするほど簡単。勿論、プリンタとドライバの性能向上も見逃せない。あと最後までほんとうに必要なものはといえば、デザインセンスということになろうか。
名刺用紙の一例:http://www.a-one.co.jp/cgi-bin/catalogue/product.cgi?prcd=51072
以前、ほんとうに苦労してやっていたことがいとも簡単に実現されるというような経験は少なからずあることだが、以前の苦労が大きければ大きいほど、進歩を容易に受け入れたくないという心的機制がはたらきがちである。今回の私(おうる)は、危うくこの「名刺作製環境の進歩」をみすみす取りこぼすところであった。
アンテナは張っておかないとなぁと思った今日この頃。