お仕事

昔の私(おうる)の仕事の残骸を眺めて、「私も昔は結構『いい仕事』(も)してたんだなあ。」などと、ひとりひそかに自画自賛
半年程度の促成栽培ながら、日本産のクモ(蜘蛛)に関してはそれなり、微妙に詳しくなっていた。現状、日本で入手可能な図鑑 3冊をすべて自前で揃え、採取・検索・保存の研究もそれぞれ自力であれこれ試みた。
勿論のこと、その程度で自らをして「私はクモに詳しいです」などと言えるほどのレベルになれるわけもないのだが(生物の世界はそんなに甘くはない)、一応「なんとかしてください」といわれて 1人放り出されても、なんとか調査してレポートできるぐらいの心積もりは蓄えた。あとは、著名な研究家とのコンタクトを取りつけて、会社としては「独自技術」のひとつに加えてもらえるよう推進するなんていう目論見もあったりした。
せっかく(ほぼ)一から始めるのだから、ちゃんと引用可能なデータを残せるようなやりかたを構築しよう、と考えていた。精度の低い仕事でも、低いなりにきっちりまとめ、必要に応じて再検討できる記録を残そう、とそんなふうに思った。
でも、当時やった仕事の、標本検索結果(生データ)をかみ砕かずにそのまま保存しておいたのは、3年も経った今ごろになって「よこせ」といわれて提出するための「備え」、ではなかったように思う。
たとえ結果論からして「そうだった」としても。