寂しくないふりをしてた
やはり桜なのである。
やがて空の月も 見えそうな 俄かに強い風 吹きだして 桜の花びらは 尾をなして 散りだす闇の中 虹を描く ah 時計が逆回りして ah 記憶は古の扉を開ける |
徳永英明といえば、「もやもや病」で芸能界を休業し、歌手生命も危ぶまれていたわけだが、先日復帰したとの報道があった。ほんとうによかった。彼がブレイクしたのは私が合唱でセカンドテナーに甘んじていたあの頃だ。だらだらと長い変声期のあとのほう、ほんとうに声が出なかったあの頃。彼の歌声を聴き、全身の毛が立ち、ひきかえ、自分の声のふがいなさに壁を叩いたあの頃。
そういえば、「桜の木の下には死体が埋まっている」は、坂口安吾だったっけ、という話題で盛り上がったことが過去にあった。いろいろ調べて、確かに坂口安吾の一節が有名であるということはわかったが、結局、坂口安吾が初出というわけではなかった。そのときの結論はよく覚えていないが(西行法師*1がその正解にかなり近そうだというところまでは辿り着いたのだったっけ)、まあ、どこから出たのかわからなくなってしまうほど、日本人の心に浸透している民間伝説なのかな、ということで私(おうる)のなかでは収束したような気がする。
調べ尽くさなくてもいいような気が、そのときも、していたのかもしれない。
*1:『願わくは 花の下にて 春死なん その如月の 望月のころ』からの連想であるすると、「埋まっている」という話とはまた少々異なるのであるが。