無力な情報

狙撃手的花見

「168件の有力な情報が寄せられています」とレポーターが言う。
「有力な情報」の反対ってなんだろう、と考えた。…それはやっぱり「無力な情報」である。では「無力な情報」って一体どんな情報だろうか。世の中、あるいは特定の事象に対して何らの影響力も持たない情報。なにものをも inform しない存在。素敵だ。「いっぱい聞けて〜」などと歌いながら腰を振っている桃色のウサギなんか目じゃないシュールっぷりだ。



以前「自動販売機」の反対を考えた。「自動購入機」ではない。「手動販売機」でもない。勿論「人力販売機」なんて浅い。結論は「自動無販売機」。自動的に何も売らない。お店の前、道の脇を占有する人の丈ほどの金属の箱。何も売らない。
トマソン物件みたいなものを想像すればいいのかもしれない。何台か整然と並んでいたら、アタゴ物件か。

こういうメタな存在にあこがれ、そんなもの存在しないだろう、などと言ってその「非存在っぷり」を喜んでいたのだが、片田舎の店先に故障したまま放置された「もと自動販売機」な物体はほぼ「自動無販売機」といってよいであろうことにふと気付いてしまった。
「無力な情報」だって、「Dの嘘」(とりわけ関連記事:嘘日記(2002/11))みたいなところに行けばそれに近いものが結構手に入る。「ニセ首相官邸」あたりもそうかもしれない。これらはさらに言えば「強力」なんだが「無力」という非常に素敵なポジションにあるといえる。って、超有名どころばかりリンクしても意味無いだろうか。
そして画像は「調整中って何をどう調整してるのさ」でお馴染みのリアル「自動無販売機」(@馬喰町駅)。恒久的なものではないので残念ながら非公認。

「ありえないもの」なんて、そんなにあるもんじゃないのかもしれない。