ペイントマーカー再生計画

owl2007-06-09

所謂ペイントマーカー(すなわち油性顔料インクペン)のペン先が広がって減ってしまった場合、皆さんはどうしているだろうか。用途によってはインクが残っているのに廃棄を余儀なくされているのではないだろうか。昔は交換用の替え芯(ペン先;芯先)が売っていたりしたし、今でも一部のブランドではエコロジーをうたいつつ替え芯を展開しているものがあり、こうしたものが利用可能であるならば素直にそれを利用すればいいというだけのことなのだが、現状の現実にはそうでないものが多い。さて、ではどうするか。多くの場合、芯を抜いて逆さまに差し直すという方法が試されるわけだが、これは実はあまりうまくない。何故なら、芯先の根本部分というのはインクゲートのスイッチの役割を果たしているため、開いてふにゃふにゃになってしまった部分を根本に持っていった場合、インクがスムーズに出なくなりすぐにペンとして機能しなくなる。つまり却ってペンの寿命を縮める。
もし、字を書くのでなく、色を塗布するという要素の強い用途である場合、小さな紙片(実験の結果では段ボールが最適である)を丸めて小さな円柱状にし、これを芯の代わりに利用することが可能である。大きさ・長さ・太さの調節にコツは要るものの、減ってしまった芯を無理に使い続けるよりは遥かに快適である。
とりあえずこれが「替え芯対策」のこれまでの最適解(というか遥か下層に位置する次善の策)だったわけだが、このたび、新しい方法を編み出したので御紹介しておく。実質的に芯が短くなってしまったのであるならば、相対的に長くしてやればいいのだ。
以下、具体的に説明。まず、芯先を抜く。ちり紙や布などでつまんでやればよい。しかるのちに、芯先の刺さっていたペンの先端部(プラスチック部分)を、カッターナイフか何かで、輪切り状に 2 〜 5mm 程度切り落とす。切り落とした部分は廃棄。この状態で、芯先を元通り差す。
このままでももちろん使えるが、使いやすく再生するにはここからが肝心。よく切れるはさみを用意し、坊主頭の散髪かナニカの要領でもって、芯先をカットし整える。ざっくりと切るのではなく、はねた部分をちょきちょき、ちょきちょきと切り整えていくような要領。はさみは汚れるが、終わったあとにアルコールなどの溶剤で拭いてやれば何の問題もない。気の済むまで整えたら、完了。
標記画像の左が未使用の状態のペン、右が再生した状態のペンである。どこをどう加工するのか、これを見れば大体御理解いただけるものと思う。用途によってはもうちっと切り減らしてしまったほうが具合がよいだろう(写真のものは意図的に芯先を潰し、やや刷毛状にして使用していたのでこの程度)。うまくすれば 3回ほどこの方法で再生できる。もちろん使用感の復元具合に限度はあるが、何もしないでいたら捨てるしかないような状態のものが一応字が書けるぐらいにまではなる。
紙などの平面以外のオブジェクトに対して大量消費するような用途でペイントマーカーをお使いの方は、是非お試しあれ。(そういう人あんまりいないとは思うが。)