適語適所

ふと思い出したので書いておくと、「有言実行」なんて言葉は本来存在しないのであって、これを使用していると「不言実行」という言葉をコンテクストに洒落を利かせている一種の言葉遊び*1のつもり(充分にわかってやっている)なのか、世の中の「ノリ」的なものをモヒカン的原理主義よりも大事にしているライフスタイルの表明なのか、ただ単に教養が無い(のに自覚が無く、且つ無理している)だけなのか、一見にして区別が付かない(要するに、かっこいいのかいくないのかわからない)ので、やめたほうがいいんじゃないかと思う。
古来より武士(演繹して日本人)たるもの、口に出したことは死んでもやると相場が決まっていたのだ。そんなアタリマエの「それ」に「名前」のつく必要など、無かった。
即ちこうだ、「有言実行」という語彙が日本語に必要になるほど、それがまるで誇るべきこととして口に出す必要が感じられるほどにまで、日本人は、言ったこと・言われたことすらできない民族に成り下がったということであろうか。悲哀と落胆をもって私(おうる)はこの受け入れ難き事実と言葉を受け入れたい*2
あ、ソース? 冷蔵庫にウスターソースが残ってたと思うが?

*1:だとすれば「有言断行」とでも言うべきか。

*2:≒今後「有言実行」という語を耳にした目にした際に私(おうる)の中に沸き起こる感情を墓まで持っていく。
とはいえ微妙に態度に表れるところまで抑止する能力は無い。