かくして天は頭上に、地は足許にたちかえった。

毎度毎度つまらない文章で自分でも嫌になりかけているのだが、当「研究所」(跡)はよろずごと、管理人の興味の向いたことを研究し保管する機関であるから、自分に一番身近な存在であるところの「自分自身」はそのターゲットとなる可能性が非常に高いという道理である。とはいえ、とある心理学者は自分自身に内在する異常性を客観的に突き詰めて、結果、時代を超えて残る業績を残すに至ったなんていう話もあるくらいだから、自分語りもあながち捨てたものではないのかもしれない。
…などという世迷い言をこうして書けることについて、ナニカに感謝する。
朝、いつもの調子で起きようとしたところ、天と地がひっくり返ったかというような激しいめまいを感じ、半分はたまらず、残り半分は(この状態で動き回ることが)あからさまに危険であると冷静に判断し、再び横になった。家を出る時刻から逆算して、布団に入っていられるのはあと約30分、これである程度まで回復しなければ、今日の日中の活動を全てキャンセルしなければならなそうだ。
それにしても気持ち悪い。世界が揺れる。回る。ちょうど薬が合わなかったときと同じようなフィーリング。あるいはバッドトリップに極めて酷似。…いや待て、私(おうる)は(そういう類いの)薬を処方されたこともなければ、バッドトリップも経験したことがなかったっけ。つか何言ってるんだ自分。
ギリギリ 30分間、必死で休んだところ、どうやら立って歩けるぐらいにまでは回復した。これならいける。しかしともかく、何も食べられない。下手に食べれば身体の内側が皮 1枚残して全部出てきそうだ。何が原因でこうなっているのかまったくわからないうえ、こんな症状は未経験もいいところなため、どうすれば快方に向かうのか見当もつかない。しかし、血液の循環を改善すれば恐らく悪化はすまいと思ったので、軽くストレッチ。(でもぐらぐらするのでできることは限られている。)そしてシャワー。そうこうしているうちになんとか外出できるくらいにまでは回復したようだ。
電車は駅始発の来る時間を狙って、座っていけるようにする。とてもじゃないが立ってなどいられなそうだ。実際、座っていてもしんどい。しかし、時間とともに症状がどんどん快方へと向かっているのもわかる。めまいがほぼ取れたそのあとには、虚脱感とでも言えばいいのか、全身に力が入りにくい状態、と、乗り物酔いのような気持ちの悪さが残った。
昼頃には大体全ての症状が消えた。食欲も戻る。しかし、ときどきふとした拍子に建物がぐらっと揺れるような感覚を覚える。客観的に判断すれば、揺れているのは建物ではなく、自分である。
結局、原因はわからずじまい。(「あ、それは更年期障害だ。」とか言われたが、それはそれで嫌だ。)今年流行の風邪かとも思ったのだが、胃腸がやられているふうではないので、違う。
原因が不明で対処らしい対処を何もしていない以上、また明日の朝起きようとした際に同じことが起こる可能性もある。…可能性はあるわけだが、絶対に勘弁して欲しい。こんな不快な経験は、一度で充分。