今更ですが、今週発売の AERA について

車内吊り広告に釣られて購入してみた。買ったからには、適当に読んでみた。

うつ病という人材』

うつ病は、真面目で優秀な人がなりやすい病気だから、切ってしまうのは企業にとって損失である、という話。
私のように不真面目で批判的で分裂傾向で ADHD 傾向…(要するに鬱とは対極)の人間は、もともと企業にとっては鬱陶しいだけということで FA 。鬱ではなく、鬱陶しい、だ。orz

『「無添加」というトリック』

「無着色」だが「漂白剤使用」とかそもそも着色が禁止されているものにまで「無着色」と書く「過剰表示」とか「保存料」が使えないから「pH調整剤」だとか保存目的の「調味」が目的ではない「調味料」だとか、etc. etc.
そうでなくても、コンビニのおにぎりやサンドイッチなどって、たまにどえらい「はずれ」があるから注意だよね。工場で生産される製品には「歩留まり」というものがあって、たとえその数字が小さかったとしても「不具合品」はある頻度で必ず発生する。それを世に出さないような品質管理が重要なのだけど、高頻度な商品替え・新商品導入、オンデマンドな対応、増産、安定供給…なんてあたりに主眼が置かれる現場では例外なく「トラップの精度が落ちる」。そしてコンビニで販売されている所謂「コンビニ食材」は、工場で生産されている「工業製品」である。つまり、…まあ、皆まで言うまい。

アトピー最新遺伝子研究でわかった改善法』

アトピー性皮膚炎の治療にはスキンケアが大切−−こう書くと、「冗談じゃない。何を今さら」という批判が噴出しそうだが、現状は「常識」にはほど遠い。「患者と親の 99% はアトピー性皮膚炎は単なるアレルギーだと思っており、皮膚にも問題があるという点は理解していません。」』
との由。アレルゲンが無い状態でも症状が出ることがある。原因遺伝子やそれに伴うメカニズムなども解明され始めており、問題の核心は皮膚機能にあり。皮膚の「保湿」と「バリア機能」のそれぞれに有効な対策を、とのことのもよう。
若干、目から鱗、皮膚から角質、な話ではあったとはいえ、私がなんとなく思っていたことがほぼ当たっていた。その「なんとなく思っていたこと」は↓こんなかんじ(註:AERA 記事とは無関係)。

  • 世の中に氾濫している「アトピー対策」、民間療法から最新医学まで、どれも「劇的に効く」ひとは存在するのだろう。ただし、効かない人には全く効かない。身体によいことを何かやれば、巡り巡って皮膚症状が改善されることは充分にあり得る話である。(そんなものは最低限医療であっても、医学ではないわけだが。)
  • 禁忌食材系は結構眉唾。総カロリーがどうとか、甘いものは一切駄目とか、効く人もいるのだろうけど直接の関係はない気が。極端な食餌制限はストレスのもとでかえってアレルギーを悪化させるのではないか。
  • 変梃な漢方の煎じ薬とかまず効かねぇんじゃないの? (これもやっぱり、効く人には効くのだろうけど。)
  • 保湿は重要だがそれ以上に清潔が重要。だから、入浴を避けるのはナンセンス。ただし、入浴後に普通の人と同じようにぼけっとしていたらそれは地獄。
  • ナニカいろいろと塗りたくって、汚れやら雑菌やらも一緒に閉じこめてしまうのはどうだか。保湿保湿と、肌を「窒息」させては、文字通り肌が死ぬ。
  • アトピーの人は、掻いている。とにかく、無意識のうちにものすごい掻いている。起きている間は、半ば癖で掻いている。寝ている間も、掻きむしっている*1。周りのひとがなんとかしてあげないといけない。起きている間なら、掻いているところを見かけたその都度その都度「掻いちゃ駄目だよ」と言うとか。

…というようなことを考えていた。概ね、合っているようだ。
ただしいずれにせよ、自分のからだと一生懸命戦って、いろいろ試し、いろいろ敗北し、あれがいいこれが駄目のと周囲から言われまくり、仕舞いには祟りだ縁(えにし)だみたいなことまで言われつつ、それでもなお闘いを余儀なくされているひとに横槍を入れることは、私(おうる)にはできなかった。
私(おうる)自身もアレルギー性の皮膚炎の出る肌を持っており、ごく弱いアトピー傾向もあると国立医療センターで診断されたことのある人間である。アトピーのつらさは自身の身体感覚として捉えることができるのではあるが。



詳しくは AERA (2006 No.54)を読んでください。

*1:隣で寝ていて「ボリボリ」という「音」で真夜中に目が覚めたことがあった。