自分好みに仕立てる。

ニッパーなんて使い捨てる道具(消耗品)だと思っていたのだが。
思い起こせば、昔はニッパーにしろピンセットにしろ、自分で研いで仕上げるものだった。…という、そういうようなことが本に書いてあったりした。いまは、材質や後処理によっては素人がどうこうできるものではなかったりもするし、切れなくなったニッパーを再び切れるようにするのは至難の業、というか、素人の手に負えるものではないと思うが、例えば先端 3mm しか使わないのであれば、そこの部分だけの切れ味を調整してみるぐらいのことならできるかもしれない。自分で調整したものならば癖や限界も理解しやすい。なにより、なんとなく使いづらい道具をそのままなんとなく我慢して使い続けるというのは、様々な点からして、よいことではない。
ということで、今回は非常に安価に入手したへなちょこニッパーを調整…というか、改造する。まず、小型プライヤー類には何故か必ず付いているバネ、これを外す。便利なようでいて保管や持ち歩きの際には以外と邪魔になるこのバネ。慣れると、バネが無いほうが使いやすい。そして根本部分でカシメ作業ができるように金属片を接着。あとは、噛み合わせはそのままに表面を削ぎ落とす。安物故、小型ニッパーのくせに「強力ニッパー」と同じ形の刃付けをしてある、これではプラモデルのランナー切りにだって使えやしない。
…で、とても人様にみせられぬものが一丁、上がった。
とりあえず、やわらかめのプラスチックしか切る予定がないので、結構適当でもいいだろうという算段。使って駄目だったらそのとき考えればいいか、ぐらいの。
というか、道具に関して言えば、「ひょうたんから駒」は無い。道具を自分で調整して自分で使うということは、「身の程を知る」とかそういうようなことなのかもしれない。