猫天国(またの名を猫地獄)

owl2006-10-12

50歩あるく。見渡すと、路地の向こうに猫が見える。噂には聞いていたが、下町は猫天国だ。
その誰もがどこかしらよそよそしいのは、見慣れぬ私(おうる)を余所者と一瞬で気付いたのか、単に界隈のひとが猫にさほどの気を配らないだけか(つまり猫たちは無視されることに慣れている)、はたまた人間などには興味がないのか(ごはんにしか興味がない)。
散策を深める。
同じコースを歩くのは愚の骨頂だとする向きもある。よく「ウサギ」などと言う。ウサギは同じコースしか辿らないのだという。同じコースを丁寧に戻ってきたところを狩られる。でも、散策を深めるのならば、同じコースを気にせず何度だろうと歩くことも重要だと私(おうる)は思う。そのつもりで歩けば、新たな発見が必ずある。前に歩いたときとは違うものが目に飛び込んでくる。勿論猫目的ならば、前に歩いたときとは違う場所に、違う猫がいる。
ただしそこはひょっとすると、無間地獄なのかもしれない。猫の。