弛んだネジは何故外れるか

なにかの原因で一旦弛み始めたネジやナットが、気が付くといつの間にか抜け落ち、紛失しているということが世の中ままある。ここでひとつの疑問、別にネジは外れる方向(右回り)ばかりに動くわけではないはず、力がランダムに加わるならば、締まる方向(左回り)へも同じだけ動くはずだ。だから、ネジにある程度の長さの余裕があれば、一定のあたりを行ったり来たりで外れることはないはずだ。だのに何故、ネジは外れるのか?
勿論、条件次第では、ネジが弛んだことによって生じる振動が「順調に」ネジを外れる方向へと導くケースもあるだろう。弛んでゆく毎にアソビが大きくなる場合などがこれに相当する。しかし、そういう条件でなくともネジは落ちる。これは何故か?
答えは熱力学の講義の中にあった。例えばこのへんの記述、

この結果は酔歩の問題と全く同じである。一歩の長さがE0で、原点からでたらめな方向に酔人がふらふらとn歩、歩くと、その結果は、原点からの距離の2乗の平均が上式となる。でたらめに歩いても原点からだんだん離れていく。 (以下略)

(ここでいう「上式」とは、\bar{I} = n{E_0}^2
ということで、出鱈目に動いていると、原点から離れてゆく。つまり、ネジは抜け落ちる。なんか騙されたような気もするが、ともかく、弛んだネジは放っておくと紛失するから気をつけよう。
気をつけよう…

というわけで私(おうる)の場合、またしてもちょっと遅かった。今回は 2本。