適当に作ってみた

owl2006-09-30

在り物で超適当に作ってみたわけだが、これも一応実用品である。材料は ABS 樹脂の板とアクリル紐、あとスミチューブ少々。ポイントは、ヤスリ以外のまともな工具を一切使用していないことである。ディンプルは主にプラスドライバー(#2)で掘った。深さ? そんなの、目の子に決まってるじゃないか。*1
一般にはディンプルタイプのほうがセキュアだと思われている節がある。確かに対ピッキング性能は数段高いし、究極の鍵を作ろうとすればディンプルタイプのピンシリンダを組み合わせることになるのだろうが、安物の鍵に限って言うとハンドメイドでの複製が容易なのは実はディンプルのほうである。差し込みも当たり(回旋トルク)も弱いので、数回使用できればいいのであれば、それこそボール紙で作っても、うまく作れば開く。実験はしていないが、プラキャストでもいけるはずだ。ディスクシリンダー用など、適当な素材で作ったらまず間違いなく中で折れてたいへんなことになる。
ただし、ディンプルにしたって、弱い鍵を試すと鍵穴を傷めたり、破損したりする危険性が高い。下手なところで鍵を複製すると外溝の鍵よりも詰まりやすいのがディンプルである。*2セキュリティというのは「開けたくない時に開かない」ことと同時に「開けたい時に確実に開く」ことも重要であるから、財産や人身が関わる鍵に関しては、餅は餅屋、鍵は鍵屋、ということ。
ホビーとして自作を試すなら南京錠の鍵とか、オルゴール箱の鍵などにしておいたほうがいい。

*1:ほんとはマイクロメーターが欲しい。

*2:つまりこういうようなこと→ http://www13.ocn.ne.jp/~kds/contents/lockfile/machine/keysmith.html