心に沁みた言葉

そもそも毎月5万円用意できる人は消費者金融でお金を借りたりしない。

グレーゾーン金利」が問題視され、法改正論議が取り沙汰されている。そんな中「少ない額ならば高金利をしばらく維持してもいいのではないかという空気がことさらに問題になっているようだ。「少額」とはどのくらいか、というと、50万円だそうだ。巷の消費者金融の広告でよく見かける「即日融資」などのイカニモなキャッチコピーが踊るキャッシングプランの上限金額は、この 50万円であることがしばしばだ。
ここにひとつの試算がある。50万円を、グレーゾーン内の年利 28% 、月賦でもって 1年間で返済する場合、月に約 5万円が必要になるという。金融庁では、「月額 5万円なら、普通に就業している人にとって用意することが可能な金額の範囲内である」、と位置づけているらしい。これに対してとあるアナリストがニュース番組のインタビューに答えて述べたのが上記。逆に言えば、消費者金融で金を借りるような人は月に 5万円など用意できはしない、ということだ。
言い得て妙。
「そもそも論法」を模倣すれば、そもそもだ、こうした議論を一般論や統計論で語っている時点で大間違いなのである。
生命保険に関わる自殺者の 1割が多重債務者らしいではないか*1。「いざとなったら死ねばお金が入るから」と思っちゃう人達と、とてもじゃないがそんなふうには考えられない人達とを、ひとからげに考えていいはずがないと思うのだけどな。 
ま、私(おうる)も実際知ったふうに語っているひとりなのではあるが。

*1:訂正気味に追記。「契約時強制加入生命保険にかかる支払件数(39,880件:2005年度)のうち少なくとも約1割(3,649件)が自殺」だった。→ http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060906k0000m040156000c.html
また、2005年、警察が把握している自殺者数は 32,552人だそうだ。
消費者金融契約時にその契約に組み込まれるかたちで自動的に生命保険がかけられていることは契約者にも通知されていないケースが多いらしい。