それは 999円で我が家にやってきた。

話題となり TV でも紹介されたこともある、上海問屋の 999円 MP3 プレーヤが、送料無料となった。この「送料無料」のよいところは、同梱まとめ買いの中に 1点でも送料無料が入っていれば全てが送料無料となる点である。ネット通販の場合、いずれにせよかかる送料の替わりに MP3 プレーヤが手にはいると思えばそれほど損した感じにはならない。
というわけで、「ついで購入」に踏み切る。

箱には何故かマグネットが仕込んであって、蓋がぱちっと閉じるようになっている。なんか無駄に好感触だ。
開封してみると、本体が油でべとべとだった。どうやら外側についているだけのようだったので拭き取れば問題なし。
  青色LED はメモリアクセス時点灯。
外観はこんな。筐体はやや軟質のプラスチック製、再生プラだろうか。表面は独特のすべすべした質感で安っぽさは無い。
何はともあれ早速分解してみる。裏側ネジ 2本と 4箇所の爪で固定されているので、ペーパーナイフなどを使用しても多少の傷は免れない。
 
予想に反してちゃんとしている。なにかとトラブルを起こしやすいボタンスイッチも、これならば操作感・確実性ともに高いだろう。組み立ての際にも間違いが起こりにくいような設計(デザイン)になっているようだ。基板上ではやけ電解コンデンサが目立つが、全て同じものを使用しているようで、これもコストダウンに貢献しているのだろうか。
 
基板上にはメモリチップ搭載用と思われるパターンがある。内蔵メモリを省略することで大幅なコストダウンを図った、というのがこの MP3 プレーヤの触れ込みのようだが、内蔵型へのアップグレードも、どうにかこうにかやってできないこともないようだ。(ただ、コンデンサ固定のための樹脂(酢酸ビニルモノマー)がべっとりと付着しているのでどう見ても楽な作業ではないが。)

SDカードスロットは 2枚の基板の間にある。
さて、肝心の性能だが、まずもって問題は無さそうだ。付属のヘッドホンは使い勝手のよいネックストラップタイプ。これをそのまま使っても悪くはない。もう一段の音質改善を望むなら、ヘッドホンを代えればよい。ちょっと聴いてみた限りにおいては、MP3 などの高圧縮音源ならではのスカスカな感じがあまり感じられず、よかった。少なくとも数年前、鳴り物入りで登場した頃の MP3 オーディオよりはいい音を返している。使用電池は単4 を 1本。公称寿命は 5時間とのことだが、適度な音量で休み休み聴いているためか、これまで 10時間以上使用してもまだへたる気配を見せない。
さて、この MP3 プレーヤの活用法。手許に SDカードが余っている場合にはうってつけだろう。似非ポッドキャストなんかにはよいかもしれない。なんか聴かせたい音楽やらスピーチなりの音声資源があるとき、プレーヤごと渡してしまうなんて荒技もこのプレーヤなら無茶な話ではない。USB ケーブルも付属しているから、SDカードリーダーとしてしか使わない、と割り切っても、高い買い物ではない。
プレゼントとしての応用は…どうだろうか。折角、無駄にしっかりした箱に入ってくるのだが、上掲のようにデザインがアレだ。どうせ通販オンリー商品なんだから、箱にいろいろ書いてある必要など無いのだ。裏面以外は無地に近い状態(ロゴマークと URL 程度、文字も同系色など)にしてくれれば、そのままリボンシールでも貼り付けてプレゼントボックスになるのに。惜しい。そうしたらあとは、気に入りの曲を入れた SDカードを一緒に入れてもいいし、別途渡してもいいだろう。使い方がいまひとつわかりにくいのも、考えようによってはお近付きになるチャンスと捉えられるかもしれない。
価格が程良いので、参加賞レベルの景品用途にニーズがあるのではないか。
あと、「マリッジブルー」というカラーネーム、わざとなのかもしれないが、それにしてもこれは少々いただけない。

上海問屋の中の方、御検討してみてはいかがでしょう。