天才は天才にしかわからない

天才の脳のメカニズムを研究している人がいて、その人も実は稀にみる天才だという話をだいぶ昔に TV でやっていて(たぶん「アインシュタインロマン」かなんかじゃなかったかと思う)妙に納得した記憶があるのだが、「バカの壁」にも類似する記述があり、これは意外と真実を射抜いているのではないかと感じたものだった。
でもって最近「プリズンブレイク」というドラマ DVD かなんかの宣伝がなりふり構わない風情でもって広告展開されているようなのだが*1、レビューを観て思った、これは観る価値がないと。
設定の根幹が間違っているのだ。
主人公は IQ200 の建築設計士らしいのだが、彼の発想がそもそも頭悪すぎるのである。「IQ200」といえばそれだけで頭がいいということになると思っている人がいるようなのだが(ドラエモんの中で「テストで 100点取ったら天才」、みたいな次元)、アイデアを出すことと IQ が高いことは全く別問題だ。しかもそのアイデアに天才らしい緻密さの片鱗も感じられない。「天才」といっても「アメリカ全土に名を轟かせる IQ200 の天才建築士」というよりは「学校中に名を轟かせる悪ふざけといたずらの天才」というノリ。要するに、このストーリーを書いた人の IQ が低すぎました、残念、ということが、本編を観るまでもなくわかっちゃった。
私(おうる)は IQ117 だそうだから凡才のなかの凡才だが、「天才は天才にしか読み解くことができない」という仮説のもとに状況を把握するという凡才なりのこだわりで判断すると、このお話の中で描かれている「天才」は「凡才が想像して描いた天才」に過ぎないとしか思えない。設定にリアリティを欠くお話は読む価値も観る価値もないと私(おうる)は思うので、なんか最近よく見かけるアレはなんだろう、と思っている方は是非スルーをおすすめする。
「24」に被せてくるあたり、プロモーション戦略も頭が悪すぎる。
以上、こはたあつこもびっくりな「観ないで批評」のコーナーでした。また来世〜!

*1:これまた何故か揃いも揃って頭の悪そうな人が宣伝しているのも気になるのだが