TV 番組より:年齢の踏み絵

*1
「私はまだ若い」という人には、16,800Hz の音を聞かせてみるといいらしい。
この高さの音が聞こえるのは、普通、20代以下。30代以上になると 80dB の音圧でも感受性がほとんど無くなるのだそうだ。
…試してみたい!

■ ということで試してみた!

いちいちソフトのインストールしなくてもよいようにサンプル音を作ってみた。

.wav 形式音声(各5秒)が 4つ入っている。(展開すると合計 3MB 以上になるので御注意ください!)
で、私(おうる)の結果。SONY 製ヘッドホンにて試聴。ここのへんの周波数だと再生装置の性能にも大きく左右される。PC 内蔵スピーカーだと「聞こえない」のではなく「音が出ていない」可能性もある。

    • 16,000Hz … 余裕で聞こえる。というかうるさい。
    • 16,800Hz … これも聞こえる。右耳のほうが若干よく聞こえるかも。
    • 17,200Hz … まだ聞こえる。
    • 18,000Hz … ほとんど聞こえない。

因みに 20,000Hz では聞き取りは全く不可能であった。(勿論、16,000Hz でも、体感音量は数百〜数千Hz の場合と較べると、かなり小さい。)
未訓練状態の音感では比類無き性能を誇った私(おうる)としては、よもや聴音で標準より劣ることは無いだろう、という自負はあったのだが、一応まだ 10代の平均ぐらいはあるような雰囲気だ。(勿論、当該周波数以外の「ノイズ」を聞き取っている可能性はある。)
正確にはお医者さんの持っている聴音用装置とか使ったほうがいいのかもしれないが、大まかな傾向なら確実にわかりそう。よく、高齢になると女性の高い声が聞き取りにくくなる、というが、あながち嘘でもないということが実感できる。
「永遠の19歳♥」とか言っている人にこの 16.8KHz を聞かせてみて、もし聞こえたら認めてあげてもいいかもしれない。

■ 御注意

音が聞こえるか聞こえないかで「その人の年齢がわかる」わけではないので、お間違いの無きよう。飽くまで統計的な話である。私(おうる)のような半犬人間も(あまり多くはないとはいえ)いることからわかるとおり、個人差も大きい。予期せぬ差別的発言などに結びつかないよう、私(おうる)は充分気をつけるつもりである。
また、普通は聞こえないはずの周波数が聞こえたからといって、選民思想などは発露しないことが身の為だと思われる。あなたの耳が、再生装置の発するノイズ成分に反応していないという保証は、どこにもないのだ。*2

■ 追記

.wav 形式、2,000Hz と 8,000Hz 。音量は同じだが長さは 2秒間。音量注意。…というか機械的音量は同じなのだけど。参考までに。

■ 補足

番組で扱っていた内容というのは、イギリスにおいて、店舗入り口でたむろしている若者を穏便に撃退するために開発された「モスキート」という音響装置の紹介。騒音の環境基準ぎりぎりの 80dB (?… 85dB だったかもしれない)という大音量を常に放出しているが、若者にしか聞こえない。高音は指向性(直進性)が強いので、ちょうど出入り口すぐのところでしか聞こえない。「キーーーーン」という音がずーっとしているわけで、短時間ならばどうということもないが数分聞き続けるとなると辛抱たまらなくなるという寸法。
装置の仕掛けは実に単純なもので、スピーカーから 16.8kHz の単純波形音波を高出力で出す、それだけ。英国コンパウンドセキュリティシステムズ社による紹介ページはこちら。

日本語による紹介記事。やや否定的見解だろうか。

あと、標記画像には音符(♪)がいくつ描かれているか? なんていう仕掛けもあったりするのだが、それはまあ置いておくことにする。こちらは年齢とはほとんど関係がない。
(念の為、こたえはこちら →

■ 更に追記

スラッシュドット・ジャパンでこんな記事が上梓されて(少し)話題になっているようだ。ネット界隈でちょっと話題になっている「大人には聞こえない着信音」という触れ込みの「蚊の飛翔音」(MP3)は、こちらにある。

実に興味深い話ではあるが、高周波音は遮蔽物による減衰が非常に大きいこと、直進性が高く、指向性が強いことなどから着信音にはあまりふさわしくないことを割り切ったうえで使用しているんだろうね。また、携帯電話のスピーカーが 16KHz の音をきっちり再生するスペックを有しているのかどうかも未知数。
さらにいうとこれ mp3 形式だから、オリジナル(生録)よりはだいぶ歪んでいるだろう。ノイズ成分やパルス成分は周波数に関係なく聴き取れる可能性が高まるから、こういう実験にふさわしいかどうかは未知数、というような話は、既に触れた。(正直なところを言えば、熾火研究所(跡)的には可聴試験に非可逆圧縮フォーマット音源を使用してしまってはなんの意味もないのではないかという見解。)
ただまあ、所詮は、お遊びである。

■ もひとつ後日追記

こんなソフトもリリースされていた。WindowsXP 用とのことだったが 98SE でも正常に動作するようである(当研究所(跡)確認)。

こちらで私(おうる)が試してみたところ

こんな結果になった。大体 18,300Hz ぐらいまでは聞こえているようだが、繰り返しているうちにだんだん耳が慣れていったりというようなことはあるようだ。あと、ぎりぎりになってくるほどに外来ノイズが確実に影響してくる。暗騒音の少ないところでやったほうが当然結果はよい。
【2006/09/24】

*1:「奇跡体験アンビリバボー」2006/05/11 放送。普段は観ないこの番組をこの日はたまたま観たわけだが、濡れない水ことノベック1230の紹介など、興味深い話題が多かった。

*2:ここでダウンロードできる音声ファイルを .mp3 形式などのシリコンオーディオでよく使用されているような書式にしなかったのにはひとつそういう理由があって、非可逆圧縮を掛けると予期せぬノイズ成分が加わる危惧(不安?)があったからである。実際のところはよく知らない。(適当なツールがぱっと見付からなかったというのも、勿論ある。)