はてなの中の人がえらいというその理由のひとつ

それは、URL が短いこと。
今日日、メールアドレスならいざ知らず、 URL を直打ちするという「文化」は廃れてゆく方向にあるといってよい。また、それ(直打ち)を強要する「文化」も願い下げだ。「http://〜」とキーボードから打ち込むこと、よく意味の判らない呪文のような暗号のようなアルファベットとドットだかなんだかの混在した文字列、一般の人には敷居が高い。だから最近は「○○○で検索してください」かなんか言っておいたうえで、SEO 対策をかけておく*1企業が増えた。
SEO 云々以前の話としても、当然、パッと見で覚えにくい URL は敬遠される。binkanhada.com は、登場したその翌シーズンには TVCM で紹介されなくなり、かわりに binkan.jp が設置された*2。(それでアクセスが伸びたのかどうかは、私(おうる)は知らないのだが。)因みに google:敏感肌 では、binkanhada.com は 4位に着けていた(※ 2006/04/10 現在)。もう少し SEO 頑張れば 1位も難しくないんではなかろうか。ま、どっちが得策なのかは正直知らないが。
とはいいつつも、実際にやってみるとわかるのだが、アドレスバーに URL を直打ちするよりも、検索サイトでキーワード入力する方が、遥かに精神的負担が小さいのである。私(おうる)の場合も、URL がわかっているのにわざわざググったりすることがある。嘘だと思ったらやってみればいい。「http://www.hatena.ne.jp/」と入力するのと、Google で「はてな」と入力→クリックするのと、どっちが「ラク」か。
口頭で伝達する場合には、尚のことそうだ。ラジオ番組なんかではいまだにこれをやっていたりするわけだが、「エイチティーティーピードット、スラッシュスラッシュ、ダブリュダブリュダブリュゼロイチゼロ、ドット、ユーピーピードット、そねっとドットシーオー、あじゃなかった、ネヌイー、ドットジェーピー、スラッシュ、きゃっとうぉーく、スラッシュ、ひゅーみっど、スラッシュ。ぜんぶ小文字でね。」…まぁひどいもんだ。対するは「『相対湿度を計算する』で検索してみ。」(※ 2006/04/10 現在) ああなんてラクなんだ。
キーボード入力がさらに億劫となる携帯サイトの場合、URL 手入力の障壁はもっと深刻なわけだが、ここでは私(おうる)の大好きな「QRコード」が普及することで、不便を解消する方向に動いていっている。
もう少し将来的な動きとしては、今現在「指紋認証」とか「手のひら認証」なんていうセキュリティ機構が出始めているが、このへんの技術を演繹するような方向性でもって例えば名刺だとかチラシだとか ID カードだとかに情報を埋め込んでおいて、それを手軽に読み取れるような仕組みをブラウジング端末 1台 1台に装備しておけば、いい感じのシステムになりそうだ。勿論既存の技術で実現が可能。IC カード方式でローカルには既に一部導入している施設もある。
…話がだいぶ逸れた。
要は、今後 URL の直打ちというのは着実に廃れてゆく方向にあるし、廃れて欲しいもののひとつである。だから、一時期は非常に気にする向きの多かった「長い URL は駄目駄目」ということも、別段気にするべき事項では無くなってきている。…いるはずだが、実は、そうでもない。
先月、人力検索はてなのトップページが www.hatena.ne.jp から q.hatena.ne.jp へと移行した。はてなのオリジン的コンテンツの URL 変更には勿論様々な理由があるだろうが、結果的に URL は短縮された。これはすごいと思う。うまく説明ができないが、私(おうる)はこういうところが、はてなを信用するに足るところだと感じているのである。強いていうならばその「センス」というかなんというか、そのあたり。
今日日、単純に日記を書いてインターネット上で公開するということであれば、基本的にはどこでやってもそれほど代わり映えがしない。だから私(おうる)の場合、契約プロバイダである So-net でもって完結させるなんていうことも充分視野のうちに入ってくるはずだが、現実には食指が動かない。理由を問われると困るし、多分惰性とか乗換リスクとか慣れとか、そういったところが実際は大きく効いているのだろうと自分でも思うが、それ以外にも恐らく、理由はあるのだ。(それが「URL が短いから。」というのでは、なんとも説得力を欠くわけだけども。)

*1:場合によっては SEO の必要がなかったりしてね

*2:ただしこちらは転送 URL 。