光学機器をなめんなよ

確かに、\1,200.- で倍率 300倍を謳う顕微鏡がある。おもしろいことに*1、この顕微鏡でも、見えるには見える。パーツはほとんどがプラスチックだから光学系を破損する心配はまあほとんど無いし、何より超軽量。
だから、なに。
プロがなぜ、べらぼうに高価な光学機器を使用するのか考えればよい。答は簡単。それだけの機器を使用しないと、仕事になんないからである。見えなくてはならないものが、チープな機器では見えないのである。野鳥調査の仕事に Vixen の地上望遠鏡を持ち込むという愚行を臆面もなくやってのけた*2型破りな私(おうる)でも、クモ類の同定作業に 所有機 Nikon ファーブルミニを使用することはなかった。それはテクニックとかセンス、あるいは技術修練経験その他でカバーできない領域が確実にあったからである。「あぁ、確かになんか見える、見える」で喜んでいればいいレベルの話ならば、正味な話として、高価な機器を使用するのはリスキーだし、勿体ない。でも、それが全てであるような世界観は、歪んでいると言わざるを得ない。
別に自分で買わなくたっていい。いいから、されば正真正銘の高性能機で覗く世界のその素晴らしさを一度でいいから体験し、味わった*3うえで、チープさとかポータビリティとかそういう方向性を模索すること。そうでなく、いきなりチープから入るのではほとんど意味がないと、私(おうる)は思うのだ。
…何書いているのかわからなくなった。*4

*1:つまり、笑い話にしかなっていないという意味合いで「おもしろい」

*2:機器の性能を犠牲にしてほかのメリットを重視した結果であるのだが、流石に肩身の狭かったことは素直に告白しておく。

*3:そういう行為のために博物館や博物館相当施設は存在すべき(そういう目的を抱いて博物館に行くべき)なのであって、最近の博物館はなにか履き違えている。

*4:「だから、なに。」って言いたかっただけだと思う。