「応用」は applied だからいいんです。

日本語の「応用」にはこれこれをどうにかこうにかしてうまいことあれする、みたいなニュアンスがあるのだが(どんなニュアンスだよ)、英語の「applied」にはもう少し違うニュアンスがあるような気がしていた。さらにいうと、例えば「応用地学」という学問分野には「地学を応用してうまいことあれする」というニュアンスは無かった。どちらかというと「地学的分野の一角を斬新なアプローチであれする学」に近い印象。ここではほぼ「applied ≒ advanced」*1
で関連語が「application」なわけだが、最近ではこれは一方でパソコンなどのソフトウェアを指す。(パソコンの「アプリ」を「応用」という語で訳そうとすると現状あからさまに無理がある気がする。このへんからも「applied」と「応用」が一対一対応でないことがうかがえる。)
つまりなにがいいたいのかというと、

  • 応用言語学といった際には、「言語学スキルをどうにかこうにかしてうまいことあれする学」でなく「応用的なあれでもって言語を語る学」で全然構わないと思う
  • 「applied」および「application」を「応用」以外のナニカうまい訳で表現できないものでしょうか

の 2点。
とかなんとか、それらしきことをぽりぽりとモノしてお茶を濁す。そしてインスパイア先へリンク。→ id:sugio:20050427#a (逆リンクいただきましたありがとうございます)
追記しておくと、「応用○○学」という表現はややレトロな表現であり、曖昧であるということもあって現在は研究分野ネーミングのトレンドには無いようだ。たとえば、私(おうる)が卒業した大学にかつてあった「応用地学研究室」も現在は改称され無くなっている。このレトロさが、逆に在野の学師にとっては魅力に繋がるし、名称によって内容を規定しないこともメリットとなりうる。気楽にいこうよ、という意味合いも込められるように思う。(確かに、コメントで頂いたような問題点は残る。)
私(おうる)も「応用博物学」とか標榜しようかな。

*1:世の中全てにおいてそうではないのかもしれないが、とりわけ私(おうる)は理学部だったので、中心には常に「真理」とか「自然」みたいなものがあって、ここに迫るための方法論が「学問」という図式が定着している。切り口や手段が斬新であるか伝統的であるかという違いはあれど、ベクトルはどれも 1点を向いている、というイメージ。