去りゆく人

私(おうる)の所業が結果として彼に皺寄せをもたらしたこと、彼に害為したことは間違いのない事実であるから、私(おうる)は彼にかける言葉を持たない。

ただ、ひとつ確かなことは、そこに彼の居場所はなかった。私(おうる)の居場所もなかった。それ(ら)は私(おうる)がどうこう言うまでもなく無かったし、勿論のこと現時点も無いし、将来に渡っても期待できない。