暖かくなってきたのでコートはもう要りません。

owl2005-03-21


植物の世界もいよいよといった風情で。気がつけば、ハクモクレンが既にかなり開花している。そしてその下には彼等の脱ぎ捨てられた「コート」が落ちている。
 (×15)
クローズアップしてみると、それは植物の組織だったとは思えぬ、どちらかといえば「獣」という呼称が似合うような、イノシシとかカモシカだとかいったような、ワイルド系の哺乳類のそれに見える。
自ら毛皮のコートをつくり、まとい、暖かくなればそれを脱ぎ捨てるなどというこの「知恵」を、樹木はいつ、どうやって獲得したのだろうか。考えても容易に答えの出ぬまま見上げる樹上には、梅より遅く、桜より早い、ある意味もっとも実感を伴う春のはしりの候を告げる生白い花が、青空に向かってこれでもかとばかりに咲き競う。