一応完成

owl2004-09-25

私(おうる)は「美術系」ではない。ゆえにその道のセオリーというものを知らない。ただし、だからこそ、私(おうる)のようなタイプの人間の中からでなくばこそ生まれ出てこないものは存在すると思っている。
使用したアンモナイトは約3cmφ。まずは適当な化石との出会い、これは重要。
化石をアクセサリーにするなら、まずは納得のゆくまで「クリーニング」をするといいと思う。一般に、市場に出回っている安価な化石は、片面しかクリーニング作業を施していない。勿論これはコスト削減のためということもあるのだが、あまりクリーニングしすぎると強度が落ちるため標本としては適度なところでやめておいたほうがいいという側面もある*1。化石は長い間地層中に埋もれてきたわけだが、地層にしっかり守られて今日まで形をとどめたということでもある。
削ったり磨いたりしすぎると一般的には標本としての価値は下がる。無論、色を塗ったりすればその価値はゼロだ。ただし、接着剤等での補修に関しては一概に言えない。その点で、宝石や美術品とは全く逆とも言えるかもしれない。化石をアクセサリーに、という時点で既に標本としての価値を考慮する必要はないので、もうそのへんはお好きなように、といったところである。*2
簡単にクリーニングできるものとそうでないものがあるが、水で充分に濡らしておいてからやるとうまくいきやすい。別にほんものの化石屋さんと同じ道具やテクニックを使わなければいけないわけではないが、怪我をしやすく、また大怪我に繋がる危険のある作業ではあるので、安全面の配慮に関しては学ぶところが大きい。
ハンマーとタガネで…とやるといかにもそれっぽいのだが、小さなものだと一撃で粉々になってしまう。むしろ針仕事ですか、ぐらいの感覚でもって、釘やキリのような尖ったものを押し当ててゆくようにすると具合がよいかもしれない。(無論だがリューターを使用すればかなり楽。でも、削りすぎてしまう危険が大きい。「好きな形に加工する」のならば化石を使用する意味は薄い。)
石に穴をあける。これは、たいへん困難な作業であり、家庭用の設備では不可能と思っておいたほうがよい。ただ、材質が石灰岩*3か泥(泥岩)か、というようなところの化石であるならば、少々本格的なリューターを使用し、ドリルビットを 1回で駄目にする覚悟で、且つ時間をかければ何とかなる。現状の私(おうる)所有装備でもまま何とかなるのだから、やってできないことはない。パキッと割れてしまったら接着剤で補修し、再挑戦。あるいは、ひびが入ってきてやばいか? と思ったら、そこで穴開けをやめる。(ぉぃ)
使用する接着剤はエポキシ系がなんといっても最適。でも私(おうる)は今回手を抜いて瞬間接着剤を使用。瞬間接着剤の利点は、最初の粘度が低いこと。クラックの充填補修には適している。金具は最近流行のビーズアクセサリー用のものなどを流用すれば OK 。アクセサリーの自作が流行っているのでパーツの入手は比較的楽になった。でも、さらに安直にいくならば、さまざまなもののおまけに付いてくる携帯ストラップフィギュアの金具を流用すれば費用はただ。コンビニでも入手可能。
で、そのままではイマイチだったので、このあいだの木工作で余ったオイルステイン(オーク近似色)をぺたぺたと塗布。木材以外に使うのは邪道。溶剤の関係で乾燥にはかなり時間がかかる。しかし結果的には、妙につやが出ていい感じ、且つ、墨入れ効果や強度向上など予想以上によい。
ネックレスは皮紐のほうが雰囲気的によいとは思うが手許にないので、安直にシルバーチェーン。正札どおりならチェーンのほうが本体(材料費)より 10倍以上高価。
…いやしかし、自分用だと気が楽でいいなあ。(というか、他人のために作る技量(器量?)がないだけの話なわけだが)

本格的にやるのならキャストでシルバーアクセサリにしたいとか、いろいろあるんだけどね。

*1:つまり、「これ以上は削らないほうがいいよ」というところまで既に削り込んである、ということでもあるわけで、下手に削ると価値を下げる結果にもなりかねない。

*2:でも折角だから、どこ産で年代はいついつ、ぐらいはわかったほうが化石アクセサリーとしてはおもしろいだろう。因みに今回のはフランス産、155Ma

*3:モース硬度:3