スーパーサブリミナル

群馬県太田市にある自動車工場、といえば、およそそれはひとつ(一社)ぐらいしかないことになっている。
ずいぶん前に、仕事で 1ヶ月ほど逗留していたことがあった。だからそこは今や私(おうる)にとって懐かしの地のひとつである。別段人目を引く観光地があるわけでもない。豊かな景観があるわけでもない。それは最早、ふるさとに対する愛着と同じような方向性を持つものであるといえる。それは万人が認める美しさを必要とはしていない。
ふと、その頃見た風景…らしきもの…が、頭の中のスクリーンに投影される。はは、懐かしいな、でも何故いまそれなのだろう、という軽い疑問符とともに、私(おうる)はその映像が映るに任せていた(あんまりこういうことを深く追求し続けると心を病んでしまうだろう)。そして何気なく、つけっぱなし環境映像状態の TV 画面に目を遣る。
まさにそのときちょうど、あるひとつの CM が終わるところだった。新しい CM であるから、私(おうる)はその内容を知らない。もちろん今まで観たこともなかったし、そもそも TV のついていることさえ、まったく意識していなかった。
…!
私(おうる)の脳は、何をどう判断したというのだろうか?