超能力の在処

(初出:2002/01/14)
ずいぶん前に読んだ筒井康隆氏のエッセイかなにかに、「仮想質問」みたいなものがあった。その中のひとつがちょっと印象に残っている。

Q:超能力・超常現象は存在しますか
A:存在しない。存在したならばそれはただの能力・自然現象。

…こんな感じではなかったかと記憶している。
流石は(ってもよく知らないのだが)筒井氏、と、感心もしたが、同時に、作家として活動する人間の苦労みたいなものを感じざるを得なかった。
私(おうる)は、そんなに堅苦しく考えなくたっていいような気もしている。あまり大勢が行使できない特殊な能力は「超能力」と呼んでもいいだろうし、ごく稀にしか起こらないような現象は「超常現象」といってもよいだろう。そうなると例えば、トランポリンのオリンピック選手が繰り出す「4回転宙返り」なんてのも「超能力」と言ってよいことになるではないか、などというふうに言われそうだが、正味な話、私(おうる)は構わないと思う。能力などというものは所詮自分の基準に照らすしかない性質のものだから、はじめから相対的な価値だ。どこらへんから「超」を冠して評価するかは任意であってしかるはずだ。あらゆる能力はその価値評価においてシームレスであると感ずる。
筒井康隆氏のように、あらゆる能力・現象に「超」を冠することをしないというのもひとつの考え方であろう。結局、私(おうる)の考え方も彼とそれほど変わらないということなのかもしれない(などと、不遜なことを考えてみたりする私は、超能力とは全くもって疎遠…。「マタギごっこ」による驚異のダウンヒルも今やると大惨事になりそうだし)。