呪文

ふと、見当たらないものを探し当てたいときの、呪文。
「どっかいっちゃうようなものと違うんだけどなぁ。」
私(おうる)の場合、これである。こうつぶやくと、「あるはずなのに見当たらないもの」は、大抵出てくる。
つまらない話をすれば、「このへんにあるはずなのに、見つけることができない」、そんな状況というのは、ある種の先入観が対象物の弁別を困難にしている状況である。そこで、対象物の外見的特徴を脳の中で再認識することによって、限られた空間内における対象物の在処(ありうる場所)をも再認識できるようになるのである。
一息ついて、一旦客観的状況を切り離し内面へこもることによって、視野をリフレッシュする効果も期待される。
従って、極めて小さかったり、薄っぺらだったり、もともとそこ近辺にあるかどうかさえわからないようなものだったり、対象物の形状をイメージできない(実は見たこともない)ようなものに関しては、この呪文は効力を持たない。
…なんて理屈を考えるようになってきてしまって以来、私(おうる)にとってこの呪文はあまり効果的でなくなってきつつある。
そろそろ次の呪文を考えなければ。