不便体験を経て

ときどき思い出したかのように見てみる「人力検索はてな」の質問リスト。今日、見てみたのもほんの偶然。こういうときには得てしてなにかあるもので、私(おうる)にとってはプチ感涙もののサイトを発見した。
気象データ 電子閲覧室 http://www.data.kishou.go.jp/
数年前、仕事で、地下水位観測用の井戸の管理をしていたことがあって、受注先様にデータを提出する際にはその地区の降水量データを付けてグラフ化しなくてはいけなかった。ネット上でかなり真剣に探したのだが、当時、無料で望むデータを提供してくれるサイトは存在しなかった。私(おうる)が必要としているのはアメダスデータのうち時間降水量の月毎データ(1ヶ月に数値データを約720件)のみ。たったこれだけのために固定経費を発生させるほど余裕のある業務ではなかったし、業務委託出向(子会社→親会社)の身分でなかなかそれはできなかった。仕方がないので毎月一度、大手町の気象庁は 6階まで出向き、データをプリントアウト(有料: 1枚 \30.-)して帰るということを繰り返していた。途中寄り道でもできればもう少し楽しかったのだろうが、そんなこともせず律儀にとんぼ返りしていた。帰社後、データは自分で手入力していた。
いま思えば、この業務や作業自体は他と比較して取り立てて面倒だったり困難だったりといったものではなかったし、Excel でいろいろなテクニックを実験できるいい機会だったりもした。いま、わざわざ気象庁まで出向かなくても同質のデータが得られるからといって、もはや私(おうる)にとって何らのメリットがあるわけではないし、もしいま同じことをやれ、と言われれば、なんとなく上掲サイトの恩恵に預かり、少々の経費と時間を節約するにすぎないだろう。ただ、当時の経験というものが、私(おうる)の中に去来する限り、「電子閲覧室」は単なる利便以上のものをもって迎えられるのだ。
…なんだか締まらない文章になってしまった。結論としては、「私(おうる)も結構いろんなことをやってるなあ」というあたりだろうか。