右脳で聴く、左脳で聞く

owl2003-08-20

ずいぶん昔、どこかでこんな話を聞いた。
虫の声を奏でる扇風機、というのが発売されたことがあるそうだ。それをとある西洋人にみせた(聴かせた)ところ、「なんだ、この扇風機は故障しているじゃないか」と言ったという。つまり、そのひとには「虫の声」ではなく「機械的雑音」にしか聞こえなかったということらしい。
「日本人は得てして音を右脳で云々」とか、故に風流だとか、様々な議論があるようだが、私(おうる)はそうした「十把一絡げ」な話にはあまり興味があるわけではない。
何故、こんな話をいま思い出したのか、というと、我が家のトイレの換気扇が、ときどきキリキリというような音を立てるから。天井ビルトインなので修理も注油も厄介。天井を拳で「ドン」と叩くと概ね治まることもあり、半ば放置の方向なのだが、ふと、これが虫の声だと思えばあまり腹も立たないのかな、などと思ったり。
そう思って聴いてみれば、その音は「キリリリリリリ…」だったり「キーン」だったりと、いつも同じではない。叩くと静かになるあたりもちょっと虫っぽい。ほんとうに虫が棲んでいたらどうしよう(いや、ありえないから)。