胡瓜草

キュウリグサ

春、ほんの 2〜3mm ぐらい、淡い青色の可憐な花を咲かせるその草は、日本全国の平地でみられる比較的ありふれた植物。
この花と、華奢な茎と、あまり変哲のない葉。みためからでは「キュウリグサ」という名前の由来はわからない。
見かけたら、葉を 1枚失敬し、指先で揉んで、においを嗅いでみるといい。



私(おうる)が動植物の名前をカタカナで書くのは、前の仕事の癖かもしれない。いっぽうで、岩石鉱物名は平気で漢字を使用する。「凝灰角礫岩」とか「花崗岩」「安山岩」「斑糲岩」…。文部省が「すべてカタカナ表記にせよ!」とお達しを出したときに、地質関係者たちだけ断固として逆らったらしい。「安山岩」なんて(英語表記は「andesite」)、「安地斯(アンデス)山脈」で典型的にみられる岩…じゃあ、「安山岩」だ、という具合、漢字に必然性はほとんどないから「アンザンガン」でもよかったぐらいの話だ。
それでも、地質業界の判断は正しかったのだろうと私(おうる)は思っている。
そのうち学会は「いちいち日本語にしなくていいよ、論文は英語で書けばいいんだし」という流れになっていった(気がする)。(それはそれで私(おうる)にはつらい話だったのだが…。)