大人のクイズ

owl2003-03-24

極めて読書量の少ない私(おうる)が本を購入するのは、たいてい「気の迷い」だ。
というわけでこの「大人のクイズ」(ISBN:4569577571;逢沢明;PHP文庫)なる本が手許にあるのも、きっと気の迷いからだ。
とりたててクイズ好きでなければ買ってまでして読む必要は感じないが、この本がふつうの「数学パズル」と異なるのは、数学者のよく口にする「エレガントな解法」とはまったく異なる方向性を持つ問題が掲げられていることである。私(おうる)も「エレガントな解法」を嗜好するほうだが、たまにはこういった問題もいい。
一時期ネット上を駆け巡った

【問55】「私の父は、私の息子です。また、私の娘は、私の母です。」
こんなことがありうるのでしょうか。
という問題についても、実話を引用して紹介されている。(この問題の解答は、ここに書くのはやめておきます。)

こんな問題もあった。

【問35】「なにものも動かせない物体」と「なにものも制止できない力」とがぶつかりました。
さあ、なにが起こるでしょう?
答えは→(反転させてください)→ 「なにものも想像できない現象」が起こる。
なお、
【問17】10円玉、50円玉、100円玉を合わせて、ちょうど 1000円分ありました。
硬貨の枚数は、合計で45枚。
さて、100円玉は何枚ありますか?
この問題については、この本に書かれている解法以外の解法もあった。→ 題意より、(10円玉の枚数)=0(mod5)。硬貨の枚数はすべて 0 以上 45 以下の整数。また、題文に書かれている条件から 2式が立つので、これらの条件を立式して連立すれば代数的に解ける。…ってこれだけじゃ解いたことになりませんか? 0以上という条件と 2式を連立すると 125/4 ≦(10円玉の枚数)≦ 350/9 となるんです。この式と最初に掲げた条件より 10円玉の枚数がもう既に一意に決まってしまっています。ここまでくればあとは単純な二元連立方程式ですから、超簡単です。


…まあ要するに、この本、「数学パズルの本」だと思って読むとがっかりするかもしれないが、一種のネタ本と思えば有用かも知れない、ということ。