界隈にネズミが出るのです
巣み処からは距離もあり、物理的に隔絶されたエリアなのだが、以前より妙に頻繁にネズミを見かけるエリアが近所にある。これまではさして不思議とも思わず来た(まあ頻繁に通るから頻繁に見かけるのだろう、ぐらいの感慨)のだが、そこでだけ頻繁に見かけるということは、そこにだけ何かしらの生息の拠点があると考えて間違いないわけだ。いくら衰えたりとはいえ、そういうイキモノセンサでごはんを食べていた(って狩猟生活? …まあ似たようなものかもしれない)ものの端くれとして、そういう感覚は失っちゃいけないと思ったぞ、俺!
与太話はさておき
ネズミの話だが、先日のこと、この忌まわしきネズミ(かわいいとは思うが害獣である)の生活を支えるものひとつが判明した。ニワトリ小屋である。
そもそも都内の JR のターミナル駅至近にニワトリ小屋があること自体が異常であり、しかもそれがお世辞にも衛生的であるとは言えない状態であり、つまり不謹慎でもあるわけなのだが、その家は少々「ゴミ屋敷」っぽい風情を醸し出しており、実際、少々油断するとゴミ屋敷に限りなく近づいたりしているようだ。そんな家で飼われているニワトリだから、御近所もひょっとしたら「障らぬ神に何とやら」よろしく半ば諦めているのかもしれない。
で、ある朝、私(おうる)は見てしまったのだ。そう、朝も朝から、堂々たるネズミの姿を。そのネズミ(おそらくドブネズミ)は、ニワトリ小屋の外からニワトリの餌を失敬しようと伸び上がっているところだった。通勤時間帯にそもそも路傍の汚いニワトリ小屋になど目もくれる人もいないためか、誰も気付かないのだろう。それを知ってか知らずか、ネズミの行動は何者をも臆するといったところがない。そしてその行動は、今回たまたまではない、手慣れた「犯行」であるということを自ら物語っているかのようでもあった。
私(おうる)も思わず一瞬立ち止まったが、何ができるわけでもないと 0.2秒ほどで結論付け、すぐに駅へと向かった。
あの汚いニワトリ小屋でもって、あの老夫婦は、ネズミも飼育しているのだ。あのまるまると太った、子猫ほどもあるネズミを。彼等はたぶん気付いていない。気付いたら、さて、どうするのだろうか。