意味がない

まずはこの写真。

さほど珍しくもないアンダーパスである。ここでは貨物線路が上を通っている。大型車両を通すためだろうか、車レーンはかなり深い。較べて歩行者レーンはそれほどでもない。無駄に深くすると通行に体力を浪費することになるという配慮もあったりするのだろうか。
…などという余談はさておき、この歩行者レーンは非常におかしなことになっている。大して広くもないこのレーンをさらに区切り、「歩行者」と「自転車」に分けているのだ。無理矢理区切ったものだから、写真ではわかりにくいが、歩行者レーンはまっすぐ進むと柱で完全にふさがれる。感覚的には「行き止まり」もいいところである。「歩きなんだからそのくらいよけられるだろう」といわんばかりの横暴、そんなわけでこのレーンを守っている歩行者などほとんどいないのが現状。*1
そしてもうひとつおかしいのが、自転車レーンにとってつけたように書かれたオレンジ色の文字。「おりて下さい」と書いてある。「そりゃそうだ、こんなスロープを自転車に乗ったままぴゅーと進まれたら、歩行者が危なくてしょうがないからな。別におかしくないだろ。」…いや、安全面から自転車は降りて通行せよ、というのはごもっとも。しかし、道路交通法上の規定により、自転車も降りて、押して歩いた場合には、軽車両の扱いから外れるはず。有り体に言えば、歩行者と同じ扱いになるはず。つまり、自転車は降りてすすめ、と要求するならば、それは自転車として扱うべきではない。要するにレーン分けする根拠がない。
それでもまだ「いややはり押していたとしても安全上…」などと言う前に、道路を造ったり管理したりしている人たちは、自転車も安全且つスムーズに(というか、スピーディに)通行できるよう考慮すべきだったのではないか。現実、この歩行者レーンを自転車が通行することはかなり稀であるようだ。自転車は、少し離れたところにある踏切を渡るか、あるいは、肝を冷やし、クラクションを鳴らされながら、下の車道のはじっこを疾走している。

*1:といってもそもそも自転車通行の頻度が低いので守る意味がない。