いいらしい

路肩に停めてあった、赤いオープンカー。ヴィンテージカーで、イカニモ丁寧にレストアしましたという輝きに満ちている。お金持ちなのだろうけど、車を大事にしている感は好感が持てる。
ナンバーを見ると「11-13」。所謂キリ番ではない、普通の番号。これは少々意外だ。こういう車のオーナーって、ナンバーにもこだわるのが相場じゃないのかね。「やっぱりこれって「11-11」が欲しかったんだけど取れなかったってことかね。」「そうかもね。」「くやしかったりするのかね。」「そうじゃないのかね。」なんて話をしていたら、イカニモなオッサンに声をかけられた。
「これはね、3号車だからいいんだよ。」
オッサンはニヤリと笑うと、赤い車に颯爽と乗り込み、Vなんとかエンジンを高らかにうならせて見る見る間に点になった。