実戦投入候補者

私(おうる)の場合、道具を使って出来上がってくる何かよりもむしろ道具そのものの方に興味関心が向いてしまう。生産性、という側面からみれば、これは由々しき傾向である。(しかも無駄に長物の得物好き)

両者とも、叩いたときに効果の高い特殊先端形状の貫通ドライバーである。そして両者とも通常使用可との触れ込み。耐久性などにも興味があるのだが、こればっかりはしばらく使用してみないことにはわからない。あとは、どのドライバーにしても、例えば PH の No.2 であれば M3 と M4 では(勿論 M5 でも)食いつきのフィーリングが違うことが多い。皿とナベでもそうだ。個人的には舐めてしまった際にリカバーの方法が限られる 小径皿ビスで最も舐めにくいのがいちばんなのだが、ネジのほうにもばらつきや癖・傾向が若干あるようなので…なかなか難しい。
まあ、10本 20本締めたり緩めたりするぶんには、別にどんなドライバーでもそう大して変わりはしないというのも、当を得てはいる。
実際に試したわけではないのでなんとも言えないところはあるが、ビスへの食いつき*1といざというときに救出率が高そうという印象では変則形状+先端特殊処理のエアロビクスに、通常使用での取り回しでは軽量*2+ラバー軸+クイックターンノブのビスブレーカーに軍配が上がりそうだ。あと、エアロビクスは軸長 150mm のロングタイプもある。握りに関しては使用環境や手の大きさなどの条件も含めて、好みの分かれるところだ。価格は、エアロビクスのほうが倍近い。(それでも PB なんかよりは安い。)
貫通でも絶縁でないと困る、という使用環境の場合、必然的にエアロビクスに限定される。貫通でも重いドライバーは困る、ということであれば、ビスブレーカーしかないであろう。

■ 後日追記

実際にビスを締めて、試してみた。10本 20本では何も言えないから、それぞれ 4桁ほどの本数を。レスキューにはほとんど使用していないのでここでは普通のドライバーとして使用したときの感想。
まずビスブレーカー。軽量なのと、ラバー握りなので、パワー系の使い手にとっては腕が圧倒的に楽。腱鞘炎など、手首〜前腕部の痛みで悩んでいる人はラバーを検討する価値が充分にあると思った。油や水で滑りやすい条件下での使用にも適している。先端の状態については、あまり耐久性があるという感じがしなかった。まあ、高価なドライバーではないのですぐ使い捨てて新しいものを、という方法もある。ラクに使いまくるならこの 1本。
そしてエアロビクス2 。慣れるまでに時間が少々かかる。慣れるまではカムアウトしやすかった。しかし、慣れてからは、私(おうる)にとっては非常にフィットした。先端のザラザラは 200本も締めると取れてしまう。しかしこのザラザラは通常使用の際にはかえって邪魔になるので、取れたぐらいがちょうどいい。2本刃ゆえにネジ溝を傷めると心配する向きもあるが、その 2本が奥までしっかり入る感触があるので、力加減を失敗しない限りそうしたこともない。スピードなどの面で練り込み、極めたければこの 1本。

■ さらに追記

ビスブレーカーは、2,000本も締めれば当初のフィーリングがなくなる。常用するにはいささか頼りなくなる。エアロビクスのほうは、10,000本ぐらいでそろそろ限界かな、という感じになる。勿論、丁寧に使えばもっと長持ちするだろうとは思うし、両者とも「限界」とはいっても \100 ドライバーよりはまだ遙かにまし。
リピートをかけるとしたら、私(おうる)の場合は、エアロビクスだ。

*1:これはとにかくすごい。笑っちゃうほどすごい。普通どれだけ食いつきが良いといってもせいぜい「ネジが落ちない」ぐらいだが、エアロビクスの場合は、さかさまにしてネジを持っても「ドライバーが落ちない」。
ただこれもガンガンネジ締めをする際には、作業性の低下に繋がりかねない。

*2:重たい貫通ドライバーが多い中、この軽量っぷりは特筆に値する。刃先形状も通常使用の際には気付かない程度の「特殊形状」なのでごく普通のドライバーとしてなんの違和感もなく使用できる。
とはいうものの、エアロビクス2 も通常の貫通(ベツセルのメガドラなど)と比較すると充分に軽量である。ウェイトバランスもよい。