彼らは結婚して本当によかったのだと思った。

そういう日に限って何故か異常な眠気に襲われ、21:00 なんていう早い時間に布団に潜り込んで夢うつつの状態だったわけだが、そのメッセージは留守電にしっかり残されていた。
奥さんのほうが少し話したあと、やや遠い声で「…なんか喋る?」 で旦那さんと交替。旦那さんが喋っているうしろで奥さんがなにかしら告げ、あ、と旦那さんがコメントを付け足す。「おやすみなさい」の二部コーラスでメッセージは終了していた。
温厚だけどものすごい冷静且つ論理的で、自分の論理に自信を持って強いこだわりを持ち続ける学者肌の旦那さん。のほほんとしてクールなようでいて、繊細な気配りと暖かい空気の両方を持ち合わせている、お菓子作りの上手な奥さん。一見、似たもの、実は凸凹。2人は結婚して本当によかったのだなと、今回の留守電メッセージで再確認した。

別に見守っていたわけでもなんでもないのになんとなくそんな風情で言ってみた。何度言っても言い足りない、いつになって言っても遅くない気がするおめでとうを、ネットの片隅で、こんなかたちで、そっとつぶやいてみた。