充電器内蔵の「単3電池」

最近、当研究所(跡)では電池についてモノすることが多かったわけだが、関連する話題ということでコメント欄にて御紹介頂いた(ありがとうございます)、イギリスの「USBCELL」。

なんと、電池に USB コネクタが仕込まれていて USB ポートから充電することができる単3型電池。要するに、電池に充電装置が内蔵されている、ということだ。いままでどうしてこういう商品がなかったのか。
…答えは簡単で、勿体ないからである。いろんな意味で。
価格は 12.99ポンドとのことで、換算すると約\2,900.-。言いたくはないが、どこの誰が単3電池 1本に \3,000.- もの大枚をはたくだろうか。いくら新しもの好きでもそんな勿体ないお金の使い方をする人はそう多くはない。
上掲ページでは解説されていないが、充電池の寿命が尽きたときには恐らく「充電装置ごと廃棄する」ことになる。そんな勿体ないことを。そして、ただでさえ容積効率のよろしくない二次電池において、USB コネクタと充電回路がただでさえ少ない単3電池の容積のうち何割かを占有している。つまり、その分容量は少ない。なんの為の単3電池かわからなくなりはしないか。その分増加する充電の手間が勿体ない。電池の容積が勿体ない。というかそもそも、充電池 1個1個に充電器が、というその状態が甚だ勿体ないことである。
それと、USB で充電できるメリットはどこにあるのか、ということ。いざというときノートパソコンから充電できる、ということなのだろうが、電池 1本につき数時間は USB ポート 1個を塞ぐことになるのだろう。勿体ない。電池が 6本あったら 6ポート必要ということに。そのために USB ハブが必要になるだろう。勿体なすぎる。また、そこまで「用意周到な人」は、たぶん、私(おうる)も含めて、予備電池か予備電源を持っていく。
というわけで、おもしろい、非常におもしろいコンセプトの商品なのだろうとは思う、思うのだが…如何せん、「勿体ないポイント」が多すぎる。折角御紹介頂いたし、ネタとしてはいけてる。新しいものを生み出そうというイギリスの会社の気概も、大いに買いたいところなのだが…。でも…。
日本で発売されても、私(おうる)はたぶん買わない。
「電池の中になにか仕込む」というコンセプト*1は、これは非常におもしろいと思うので、今後長期的なテーマとして熾火研究所(跡)の研究課題としたい。

*1:電池にライト内蔵とか、電池に時計内蔵とか、電池に発信器内蔵とか、電池に盗聴器内蔵とか(っておい!)。 非常用という観点では、電池に食糧内蔵というのはどうだろうか。
因みに「電池にバッテリチェッカを仕込む」というアイデアは、既に商品化されて世の中に出ている。確か DURACELL が出していた。