リファラ乞食が今日も行く

独立行政法人産業技術総合研究所のサーバから「乾球+湿球+湿度計算」てなかんじの検索でもって当研究所に御訪問があった。
わかりにくいかもしれないので置いておくと、目的地はここか、その先の「湿度計算シート(Javascript版)」ですね。
ま、どうせ産総研あたりの中のひとだと「なんだこりゃこんなどこの馬の骨ともつかぬ奴が作ったもんなどどうやって信用すりゃいいってんだ、ぺっぺっぺっ」という科白(※超訳)とともに速攻ブラウザを閉じてるんだろうな、どうせ*1。(なにを卑屈になってるんだろ)
確かにこれの計算結果があっているかどうか、厳密には確認のしようがない。私(おうる)は、相対湿度の計算結果に関しては、理科年表に掲載されている換算表でもって一応検算(検証)しているが、その他の条件、つまり気圧を変えて計算した場合に「正しい」値を吐き出してくれるのかどうかは正味な話、わからない。
でもって他のサイトの計算結果と軽く突き合わせてみたりするわけだが、例えば、ここの計算シート(上越教育大学のサイト内のシート)で算出される結果は、「通風条件」ですな。家庭用の簡易乾湿計でこの値を得るには、ファンで風速 3m/s 以上を定常的に湿球に当ててあげる必要がある。私(おうる)の計算シートでは、「通風条件」を ON にすると、ここの計算結果と[ほぼ]等しくなるようだ*2
そんなかんじで。ぶっちゃけて言えば、湿度を測定したときに誤差が ±5% 内に収まっているかどうかなんて、保証の限りではない。室内なら、人がその部屋を動き回っただけでちょっと値が変わるだろう。屋外なら、測定の 1分前に風がぴゅーと吹き抜ければそこの空気が全部入れ替わってしまうんじゃないか。特に、簡易乾湿計でさっくりと測ったときの値なんて、どこまで正確か疑わしいものだ*3。だからといって、計算の間違いで誤差を大きくしていいなどということでは絶対にないのだが、実用上は計算によって小数点以下の数字を求めてもあんまり意味はないことじゃないかと(実感として)思っている。数式で求まるものを敢えてテーブル変換するのはなんとも効率的ではないし、どうせ計算で求めるなら(意味は無いとはいっても)1桁ぐらい余分に出しておいてもいいんじゃないか、といったところ。使うときに丸めるだろうから、先んじて適当なところで丸めてしまうと結果が狂う。
測定誤差に関する解説としては、気象庁|気象観測ガイドブック内の温度計・湿度計に関するコラムがわかりやすいと思う。
…あ、ROBOT からも御訪問が。ROBOT の中のひとなんかだと「な(以下略)

*1:産総研はすごいところだと思っています。言うなればあこがれの場所です。

*2:低温時と乾湿差が大きいときに差がやや大きくなるが。
私(おうる)の使用した式というのは、昔の理科年表に掲載されていた数式を丸呑みそのまま使用しているのだが、その式はたしか実験測定値の近似式だったんじゃなかったかと思う(追記:そのとおりでした)。一方で上掲サイトでは理論式を用いている。そのへんの差なのではないかと思うが、ほんとうのところはよくわからない。

*3:なら、百葉箱に入れておけばいいんじゃないかって? …さあ、それもどうだか。要は「いったいなにを測っているのか」ってことではあると思うのだけど。
乾湿計の応答速度の悪さが逆に幸いするかもしれない。