geode

owl2006-01-19

ジオード(geode)と書くと確実に誤爆するネット社会だが、球果*1という単語を使いたくない場合これはどうしようもない。ノジュール(nodule)だと語彙が広すぎるし。エンクレーブ(enclave)だと通じないし違う意味にとられかねないし。
そんなわけで(だからどんなわけだっつーの)、ジオードを 2個ほど入手。サイズは 4cmφ程度。産地不明だが恐らくアメリカかメキシコ、南米あたり。本来は割ってプチ地質学体験を楽しむという趣向のものだが、私(おうる)はとりあえずクリーニングしてみた。中がどうなっているかは割ってみないとわからない、いわばこれは寸止めの美学。購入当初は土っぽい表面でジャガイモのようなのだが、それを除去*2すると(購入の際に特に風化層の少なそうなものを選んではいる)ちょっとカーネリアンっぽい塊になった。言ってしまえば、質の悪い縞瑪瑙なわけだからそりゃそうか。石灰質を除去するために一晩サンポールに浸けておいたがほとんど変化は見られなかった(全体の赤みは若干増したかもしれない)。
磨いても、思っていたほどおもしろくはなかった。もう少し玉石っぽくならないかと期待していたのだが。ま、これはこれでよしとする。(ほんとうは超音波とかかけたい。秋月で買ったやつ、譲るんじゃなかったなぁ。)
 
見れば見るほど奇っ怪な、おだやかならぬ表情。地中でこれがこの大きさまで成長するのにどれだけの時間と作用を経たのか、と考え、想像をたくましくしてみたりするのが地質資料の楽しみ方のひとつだ。無機物なのに有機的な印象すら覚えるのは、もともとこのジオードが化石内部の空隙に成長した結晶に端を発しているからかもしれない、つまり、どこかしらに生き物だった頃の記憶を残しているのかもしれない、などという言い方をするとある種のひとたちを刺激しそうだが、私(おうる)自身はそういう考え方が好きなわけではない。

*1:本来、植物屋さんの世界のタームであって地質学用語ではない。正解にいくらかは近いと思われる、同じ読みの「球顆」(spherulite や chondrule)も、別物。誰だ、最初に誤用したのは!

*2:濡らしてひたすらワイヤーブラシでこする