倍率について語る。…と言っておきながら実は倍率以外のことを語る。

伊達に自然観察とかしてないのである。
倍率のわからない(低倍率の)双眼鏡があって、その倍率を知りたい。でもって、倍率が既知の双眼鏡もちょうど手許にある。さて、どうすればいいか。
2つの双眼鏡を両手に持って、片目ずつ覗き、見える大きさを比較すればいい。例えば、4倍の双眼鏡で見えた物体の大きさと比較して、その双眼鏡で見えた同じ物体の大きさがちょうど半分であったとすると、その倍率は 2倍ということになる。
そんな簡単でいいのか。…いいのだ。
双眼鏡などの説明書ではこう述べる*1

双眼鏡の倍率とは、どれだけ「近づいたことになるのか」を表す数字です。例えば、7倍の双眼鏡で見たものは、7分の1の距離まで近づいて見たのと同じように見えます。つまり、700m 先にあるものは、100m の距離まで近づいて見たのと同じことになります。
確かにこれは「正確な表現」だが、非常にわかりにくい。なんだか騙されているような気分になる。「近づいて」だとかなんとかそんなことは実際に双眼鏡・望遠鏡を使用するシーンではどうでもいいことであって、実際は「その見たい対象物がどれだけ大きく見えるのか」というところにあるから、というのが理由のひとつであると思われる。作図して考えればわかることなのだが、これは即ち、x倍の双眼鏡を使用すると見た物体が x倍の大きさに見える、ということで全く差し支えない。ただし、条件次第で必ずしもそうではないから、説明書などでこう表現してしまうと間違い、ということになる*2。単純(シンプル)な条件下では正しくなる。だから同然ながら、「普通の大きさのものを普通に見たとして」、8倍の双眼鏡で見れば 4倍の双眼鏡で見た場合の「2倍の大きさに見える」。
もし倍率既知の双眼鏡がズーム双眼鏡であったとするならば、ぴたり同じ大きさになるようにズーミングしてもよい。まあしかし、ズーム双眼鏡を使ってなにかいいことがあるのかというと、私(おうる)はなにひとついいことがあるように感じられないので、少なくとも私(おうる)の場合は手許にズーム双眼鏡が(たまたま)あるというシーンが想像しがたい。
さて。単純な倍率ならば、比較の対象さえしっかりしていれば、肉眼で倍率を測定することなど簡単なのである。
えーと、で要するに何が言いたいのかと言えば、そうやって私(おうる)が計測した倍率が信用ならないというのであれば、私(おうる)は最早何も言うことがない。…という、愚痴。

*1:本物の光学機器の取扱説明書にこう書いてある(あった)と言っているわけではないので念の為

*2:更に言えば、「その『見える大きさ』って、なによ。」という突っ込みには脆弱である。説明が面倒くさそうである。だから敢えて避けて通っているのかもしれない。