なぐる詩人の会:おいしいそれと、そうでないそれ

owl2005-04-26

クレモリス乳酸菌という、カスピ海ヨーグルトと同じ菌株を使用しているという。酸味が少なく、なめらかで粘性の高いという特徴もそのまま、つまるところ普通のカスピ海ヨーグルトそのものである。ということは、あれです、再増殖も可能なのではないか、という、当然辿り着く仮説*1。しかしである。

グリコオリジナルのレシピと製法、衛生管理
で作っていますので、ご家庭で作られる際
のタネ菌としてはご利用いただけません。
えー。(無表情で)
これは単に「繁殖は、やらないでね、なにかあっても知らないよ」という意味である、という超訳結果が出た。たぶんやってできないわけがない。なぐる詩人の会を立ち上げた私(おうる)が言うのだから間違いなさそうかもしれない(やけに弱気)。ところが、「じゃあ、試してみればいいじゃん?」という帰結に到達する頃には既にヨーグルト 400g 全量喰い尽くしていた。ダメじゃん。もしまた店頭で見かけたら、実験前提で購入してみよう。
さて、肝心な味のほうである。確かによく言われるとおり好みの分かれる感じだ。私(おうる)も「数あるヨーグルトの中でもこの味が絶品!」とは言わない。しかし、鼻や舌を刺激する酸味が無いのはヨーグルトがあまり得意でない人にも抵抗無く受け入れられるかもしれない。そのまま(無糖)でも食べられるし、砂糖とハチミツで甘くすれば普通にいけた。
恐らくはその味も普通の(一般に出回っている)カスピ海ヨーグルトとさして変わらない*2。ということは、商品名についている「おいしい」は非限定用法修飾句であるということだ。それともこれは限定用法であり、普通のカスピ海ヨーグルトは恐ろしくまずいとグリコの中の人が考えているということか。
どっちでもいい気がしてきた。カスピ海ヨーグルトに対して一定レベル以上には真剣になれない自分がいまここにいる。

■ 後日追記…訂正気味に。

自分で育てるカスピ海ヨーグルトの場合、ヨーグルト生成に主たる働きを持つクレモリス乳酸菌の他に、嫌気性菌であるクレモリス菌をサポートするような働きをするアセトバクター菌(好気性)も入っており、この 2つがあってはじめて(繰り返しの)ヨーグルト生成が可能ということらしい。
市販のヨーグルトの場合、ヨーグルト化に直接関係がなく、色やカタマリをもたらすアセトバクター菌は添加せずに作っているということなのだろう。衛生管理の行き届いた食品工場で生産するならば、無菌操作も無酸素状態の維持もそう難しいことではない。確かにそういうことならば、市販カスピ海を種ヨーグルトにして、家庭で手軽にヨーグルト増殖をしようとしてもうまくいかないというのは肯ける。

*1:だってカスピ海ヨーグルトのメリットといったら、味はまあさておきその繁殖力((1)常温でも充分に繁殖可能 (2)雑菌に負けずに繁殖する)ではないのか。少なくとも半可通の私(おうる)はそういう認識。

*2:ドリンクヨーグルト「カスピア」(→id:owl:20030725)の味などから演繹的推測可能。