人間てばわがままなもので。

千葉に巣んでいる頃の巣み処は、最寄り駅から線路沿いを東京方面へ 10分ほど戻ったところにあった。夜の家路にはいつも思っていた、途中で降ろしてくれればいいのに、と。
いま巣んでいるところは、最寄り駅から線路沿いをさらに先へ 7分ほど歩いたところにある。操車場が隣接しているので、電車の何本かに 1本は最寄り駅が終着駅となる。とぼとぼと歩いていると、さっきまで乗っていた電車が止まっており、そんな電車を横目にいつも思う、もうちょっと乗っけてってくれればいいのに、と。
要するにわがままなことを思っているだけなのだ。
生まれてから 20年ほどは、山手線の内側に巣んでいた。最寄りの JR の駅は、巣み処から西へ 15分程歩いたところにあった。線路はそこから南北に延びている。駅から帰る道すがら、いつも思っていた、駅がもうちょっと近ければいいのに、と。
結局いつだってわがままなことを勝手に思っているのだった。