心を揺するもの

京王井の頭線・渋谷発・急行に乗れば、下北沢へはわずか数分、たったひと駅である。しかし、何を楽しんでいるいとまも無いかと言えば、そうでもない。例えば、この時期ならば百日紅。花の一片の、ほんとうに最後の最後が散るまで確認しようとするならば、その名の通り 1年の四半分が優に過ぎ去る。
そして私(おうる)が気に入っているのは、線路。池ノ上駅を通過したところから束の間の直線区間に入る。このままどこかへ行ってしまいそうな気分を一瞬だけ味あわせてくれた線路は、そのすぐのちに駅のホームを挟むカーブを描く。
(写真の撮影は 2004年8月6日)