無礼か否か

id:kina:20040812#1092278514 さん経由、id:yasai:20040812#1092272614 さんの記事。
携帯電話の場合、発信側が番号通知でコールしている時点で既に「名乗っている」と等価と考えるのが今日日のコンセンサスであると言える。つまり、相手が取ってから音声で名乗れば、それは(勿論場合によりけりだが)挨拶を 2度繰り返していることになりかねない。携帯の場合は特に、発信者からすれば相手がどういう状況で取っているかわからない。間違って(違う番号に)かけてしまった場合には1秒でも早くその通話を終了すべきだから、いの一番に目的の通話が確保されたかどうか確認するのは必ずしも非礼とはいいにくい。
「仕事でかけた電話の場合はまず名乗るではないか、携帯には何故まず名乗らんのだ」というむきには、現状の標準的なオフィスをもういちど想像してみて欲しい。オフィスにあるのは、ビジネスホンといわれる専用の多機能電話。多機能だが、着信番号表示機能はまずついていない。だから、まず名乗ってもらわないと、困る。礼儀とかよりむしろ合理的な判断であるともいえよう。
携帯によらず、個人の回線など滅多にかけない番号に(メモリからでなく)番号入力でかける場合、間違いというのが少なからず発生する。私(おうる)もビジネス用件で個人の所有回線にかける場合は、まず「○○様のお宅でしょうか」「こちら○○様の携帯で宜しいでしょうか」と、相手先を確認するようにしている。とりあえず、返す刀で「失礼だろう」と言われたことはまだ無い。
なんにせよ、少々前までは、電話に出たらまず名乗るのが礼儀だったはずだ。これは勿論、かつての事情を色濃く反映している*1と思われ、現状ではある意味形骸化した礼儀であったし、正体のまだ知れない相手に徒らに情報を与えてしまうのは得策ではないという風潮の浸透*2から、廃れても仕方ないものではあった。とはいえ、こうした古くからの礼を失している以上…というか、相手が言ってくれないから発信側が確認せざるを得ないというこの現状において、まず名乗ろうとしない相手先の非礼を力一杯とがめることは、私(おうる)にはできない、かな。

ってこの内容、引用元の記事とかなり被っているではないか。
…まぁいいか。笑って御容赦ください>id:kina さん

*1:かつては電話代が高かった、電話は共有物で誰が出るかわからなかった、手動で繋いでいたから間違い電話も多かったと思われる、etc. 一方で、プッシュ回線に移行するなど電話が進化して間違い電話が減ったかというと、どうも必ずしもそうではないのではないかという生活実感もある。

*2:オレオレ詐欺なんてものも横行しているから。でも警戒しすぎたり、まるで名乗っただけで損をするかのような感覚というのはいかがなものだろうか