「ちびせんさー」

大学では地質学を専攻していたため、自分の身ひとつで行う「簡易測量」っぽい訓練も受けた。勿論、大学の学部レベルの話だから習熟度はたかが知れている。その後、フィールドワークでこうした方面のスキルが必要な人はどんどんそのテクニックを磨き、分野的に関係のない人は忘れて行く、そんなところであった。
「ハンドレベル」という道具がある(→参考)。もっともシンプルな測量機器の一種で、「マーブルチョコレート」の紙容器ぐらいの大きさ。プリズムと水準器を内蔵し、覗いた人の「目の高さ」を遠くまで延長できる。人間、自分の目線を地面に対して水平に保つのは極めて苦手だ。近い距離(2m 以内とか)ならばともかく、それ以上になれば道具無しではほとんど不可能と言っても決して言い過ぎではないと思う。背景によっても、地形によっても「水平感覚」は、すぐ狂う。そこで重宝するのがハンドレベルである。極めれば、例えば数10m の山の高さ(比高)を、このハンドレベル 1本だけ持って山登りしながら、10cm の誤差で測定することだって可能。
で、この「ハンドレベル」だが、フィールドワークで使用するにあたっては、自分の目線の高さをあらかじめ測っておかないことには意味がない。これと、自分の歩幅(「複歩」といって、左足・右足で 1 と数える。私(おうる)の場合 60複歩= 100m で当時概ねオッケーだった)は、最初の実習で測定し、各人のデータは自分で覚えておく。野外へ出るにあたって、これは重要な基礎データだ。
私(おうる)の場合、自然に立っているときの目の高さは 152〜153cm 程度。野外で使用するデータとしては、これに靴の高さを加味する。大体 154〜155cm。
当時は単に数値データ以上の意味を何ら持っていなかったこの数字、今ならピンとくる。先日御紹介したばかりの「チビブログ」でアッパーボーダーとされている高さとぴたり一致するのだ。
つまり、このような高さの目線高度を持つ私(おうる)は、ナチュラル・ボーン・チビセンサであるというわけ。私(おうる)は目線を水平に保てるように、鍛錬する。それだけ。私の目線高度より下回るか否かでターゲットかそうでないかがわかる機構(カラクリ)。


なんだか楽しくなってきました(っていいのか)。