とかなんとか書きつつも。

かくいう私(おうる)は正直にいえば、(自称)ナイフマニアをやめてから久しいうえもともと半可通なのでなにをかいわんや。ここ数年間にもナイフ事情は結構変わっているようだし(ステンレススチールがナイフ鋼材としては 2流、というのは最早昔の話、というようなのがそのいい例)…。
昔は「仕事」で鉈や鎌を真剣勝負(ガチンコ)に使用していたし。藪漕ぎではその刃先にシビアな性能を要求していたし、斜面登攀では全体重を同じ刃先に預けるようなタフネスも求めていた。今やカッターナイフとペーパナイフがあればすべての作業が充分事足りる体たらく。必要がないからナイフへの興味は自ずと下がる。
私(おうる)が今まで実際に使ってみて「素晴らしい」と思った鍛冶屋さん

  • 佐治武士(さじ・たけし)
    参照:http://www.hamonoichiba.com/homepage/saji/
    福井県武生市。越前打鍛治の伝統を踏襲しつつ、「和式ナイフ」という新たな分野も模索している。有名な人。私(おうる)が所有している剣鉈はごくスタンダードなもので一番安いクラス(佐治作としては破格)だが、「本物」を手にしていてよかったと思ったことは何度もあった。この剣鉈を使いこなすために、私(おうる)は握力を中心に腕回りをチューニングし直したことがある。
    佐治作は様々なショップで(通販でも)購入可能。
  • (有)武田刃物工場
    参照:http://www.dento.gr.jp/takedahamono/
    岡山県新見市。私(おうる)が手にした「共柄三日月鎌」は、鎌といえば普通の鎌しか手にしたことのなかった私(おうる)にとって落鱗の 1本であった。「日本刀の切れ味」を味わったことのない私(おうる)だが、「そういう性質の切れ味」を感じさせられ心が躍った。小刀も、コレクションとして手許に置きたくなる良品。
    全国の百貨店で実演販売を展開しているほか、通販による直販も利用可能。
  • 足助の鍛冶屋さん(広瀬重光刃物店)
    参照:http://www.mirai.ne.jp/~marune/home/hirose/kajiya.htm
    愛知県足助町。小さな刃物屋さんだが、奥に工房を持ち(そして 2階にはライブハウスを持ち(笑))、定番農具から独特の刃物まで生産している。自動車のサスペンションに使われていた「板バネ」を鋼材として使用した小刀は「使っても使っても刃こぼれしない」とまでいわれ、全国に熱烈なファンも多いという。私(おうる)が購入した 1本は癖のある刃先形状をしたものであったが(敢えてそれを選んだ)、趣味性と実用性を見事に兼ね備えた必携アイテムとなった。
    足助は昔から街道沿いの宿場町として有名。機会があったなら立ち寄ってみるというのがよいであろう。

必ずしもすべての場面において「業物」が必要なわけではない。安い刃物には安いなりのメリットがある。高価な刃物とて手入れを怠れば新品の安物に劣るわけだし。それでもやはり、私(おうる)はいいものを使いたい。いい道具は、気持ちまで軽くする効果がある(しつこい)。