スカイフィッシュ

学生時代、地質学を専攻していた。仕事上、崖や海岸の露頭に貼り付いてハンマーをふるっていると、声をかけられることがたまにあった。しかし、その言葉は概ね決まっている。

  1. 化石でも出るのかい?
  2. 金でもとれるかい?
  3. 石油でも出るのかい?

環境調査で昆虫その他の採取をしているとき、かけられる声も、意味合いとしては同じようなものだった。

  1. なんか珍しいものでもとれるの?
  2. 新種でも見付かった?
  3. ツチノコでもいるのかね?

まあ、声をかけてくれた人にとっては、単なるコミュニケーション、あるいは軽いユーモアのつもりなのかもしれないが、こうした言葉をかけられるたびに軽く志気をくじかれる思いがするのであった。



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「新種生物」「未確認生物」はロマンをかき立てられる存在であるが、生物学をちょっとでもかじったことのある人間にとっては、世の中はありふれた種であふれていることぐらい常識であり、ドラエもんの世界のように、学校の裏山で新種の生物や化石が都合よく発見されたりはしない。註:別に「ドラエモん」にそういうエピソードがあるわけではないのだが、なんとなくわかりやすいイメージとして「ドらえもん」をひいてみた。) また、新種の確認・登録というのは長期間に渡る根気強い作業が必要であり、そうお気軽にできるものではない。
3対程度のコンパクトな羽を持ち「高速飛行」する棒状の未確認生物。某番組で仰々しく取り上げられていた。こんな話が出回っていること自体知らなかったが、「ビデオカメラでの撮影でしか写らない」という時点ですぐになにかわかりそうなものではないのか。(私(おうる)はわかった。)
ロマンはロマンで別にいいんだけど、あなたという存在がありふれているものである(世の中の「人物」像からそれほど外れたものでない)のと同じ程度に、世の中のほとんどのものはありふれている、ぐらいに考えておいたほうがいいのではないかと私(おうる)は思う。

何年か前の歌番組で UA が「吹田駅の階段のところで未確認生物をみたことがある」というトークをしていたことがあって、個人的にはめちゃくちゃにツボであった。何故って、「未確認生物」=「Unidentified Animals」=「UA」だから。