久々に

ほぼ1年ぶりだろうか。生まれ育った近くまで行ったのは。
あてどなく散策するにはいい陽気ではあったが、生みの親・育ての親…いずれにしても交流のない今、なんの用事もなく新大久保駅に降り立つことなど無い。目的は駅から約10分、「チェリーボンボン」というコンフェクショナリーショップ（03-3202-0003）である。ここの「シガールチョコ」は絶品。…と、店に辿り着いてみてなにか様子がおかしいことに気付く。どうやら閉店はしていないようだ。しかし扉の貼り紙には「営業日：水曜日」…なんですと。「休業日」ではなく、「営業日」である。ガラス越しにのぞき込むと、店の奥のほう、ケーキ厨房があったはずの場所ががらあんとしている。店内にはショーケースもない。
聞けば、ケーキ作りはきれいさっぱり、やめてしまったそうだ。現在はシガールチョコのみ、主に電話注文で受け付けているとのこと。「近所の方のために、送料かけるのは勿体ないので、水曜だけ開けてるんですよ。」ふらっと訪れたのがその水曜だった幸運に、気持ちだけ小躍りしながら店をあとにした。
あったはずのものがなくなり、少し広くなってしまった店内。ケーキも非常に美味だったのに、これがなくなったのは残念。でも、シガールチョコだけでも販売し続けてくれているのは非常に嬉しいことだった。
哀しいけど嬉しい。それはちょうど甘くて苦いチョコの味に似て。

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小さい頃過ごした場所に大人になってから再訪すると、さまざまなものが小さく見える、というけど、あれはほんとうらしい。通称「かいじゅう公園」の怪獣も、こんなにかわいらしかったとは…。
久々に食べたシガールチョコはやっぱり絶品であった。